第4話
奴隷制度。
それは中世よりも近世の方が近いような世界であるこの世界でもしっかりと制度として存在している。
その扱いはベルギーのように手足を切断したり、イギリスのように狭い艦船に閉じ込めて売ったりなどの惨い地球での行いよりはマシであるものの、その待遇は決して良いものであると言うことは出来ない。
「オークション会場なんて初めて来たわ」
「僕は二度目だけど、こんなに日の目を浴びながら開催されるオークションには初めて来たかな」
「……待って?日の目を浴びないオークションって何?」
この世界の裏には人体実験用の人間を売り買いするオークションなんかも存在するのだ。
世界の闇はどこまでも深い。
「沈黙が一番怖いのだけど?」
オークション。
普通は奴隷の売買は奴隷商がやるのだが、オークションでも奴隷が出品されることがある。
たまたま奴隷が多く出品されるオークションが開かれていたので僕はリーミャと共にオークション会場へとやってきていた」
「強そうな子がいると良いな!まだ職業についていなく、レベルの上がっていない子で!」
「待って?その条件で強い子なんていないわ」
「僕はレベルが1の職業に就く前から対人戦の能力高かったよ?今とさほど変わらないくらいには」
この世界にはバグがある。なんかこう良い感じに刀を振ると相手のHPを無視して斬撃を入れることが出来る。
そのため、近距離戦で言えば職業に就く前から圧倒的に僕は強かった。
魔法が飛んで来たら無理だ。
どうしようもない。
「うん。色々とおかしいあなたは例外よ」
「むぅ……後は単純に血界能力を持った子がいると良いな」
「そんなの無理よ。持っている子なんて早々いないし、居たとしても奴隷になっているわけがないわ」
「だよね……」
僕とリーミャは駄弁りながらオークション会場へと向かった。
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