第3話

 リーミャ、アイ、アリス。

 僕のパーティーメンバーたちが僕とお姉ちゃんの家に集結していた。


「よし!みんな」

 

 僕は家の中に集まっているメンバーに向けて話しかける。


「もう一人のパーティーメンバーを集めるために奴隷を買おうと思っているんだけど。どうかな?」


「「「「……は?」」」」

 

 僕の提案。

 それはリーミャたちだけでなく、お姉ちゃんにまで睨みつけられる。


「え?そんなにダメ?」

 

 予想だにしていなかった四人からの強い反発に僕は困惑の表情を浮かべる。


「そりゃダメに決まっているじゃない。奴隷を買うなんて」


「えー。なんでダメなの?奴隷だったら職業もすべてこっちで決められるし、お金関連でもめることもないし、最適だと思ったんだけど……」


「それを最適だと思うのはあなただけよ」

 

 僕の提案に対してリーミャは強い拒絶感を見せる。


「えぇー。でも、これ以上パーティーメンバーを探せる気がしないよ……?これからもっと下の階層に降りていくのならさすがにもう一人前線に立てる人は必要だし、荷物持ちも必須になってくるよ」


「む……確かにそれはそうなんだけど。それでもやっぱり何か違くない?」


「えー。奴隷の何がダメなんだよ」


「だ、ダメなものはダメなんです!」

 

 何故か少しだけ慌てた様子のアイが全力で阻止しようとしてくる。


「えぇ……奴隷、良いと思うんだけどなぁ……」

 

 パーティーメンバーを集めるのならば奴隷は最適だし、奴隷を買ってパーティーメンバーとしている人もかなりいる。

 

「奴隷の女の子を買って何をするつもりなの?」


「私だけじゃ足りないというのですか!」


「汚らわしい」


「お姉ちゃんもちょっとさすがに反対かなぁ」


「ん……?なんで女性限定なの?前線に立つのであれば男の方が体大きいし良くない?別に女でも良いけど……回避盛り錬金術師であれば女でも……?」


「あ、男ね」


「それなら奴隷を買うんで問題ありません!」


「それなら私も文句なしね」


「お姉ちゃんも許可を出すわ」


「あれぇ?」


 一気に手の平を返しだしたみんなを前に僕は首をかしげた。

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