第34話
「んにゃ……やっぱり来たね」
お風呂の方から誰かの悲鳴が聞こえて……少し経ったころ。
僕とお姉ちゃんの家に招かざる客人が土足で入り込んできていた。
「……」
玄関の前に二人。
天井に一人……お庭の方に10人。
玄関と天井に配置されている人たちが予備、もしくは拉致要員で庭の方にいる人たちが本命かな?
「ふんふんふーん」
僕は鼻歌を歌い、料理を作りながら庭の方からリビングの方に一切の遠慮も躊躇もなく入ってきた仮面をつけ、体全体をローブで隠して素肌を一切出さない男か女かもわからないような人たちに視線を送る。
「あと少しで終わるから、待ってよ……僕も君たちの小細工を待っていてあげるからさ」
たとえリビングの中に入ってきたとしても僕は料理を作る腕を止めない。
「……」
「……」
「……」
仮面の人間たちは僕の言葉に何も反応することはないが、すぐさま動こうとするのは辞めたようだ。
……動きがあったのは天井だけ。
何らかの魔道具ではない……爆薬か?
どこかの国で爆薬の製造をされていたことを思い出した僕は爆薬である可能性が高いと予想つけ、それの対処のための魔道具を相手方に気づかれないように発動しておく。
「よし、おっけ」
魔道具の発動が終わった僕は一言呟いて視線を料理から侵入者どもへと送る。
「それで?君たちは一体何の用だい?」
僕は料理道具から手を放し……キッチンに置かれている予備の刀へと手を伸ばす。
「うちでは今……ちょっとお姫様が入浴中なんだ。早々と帰ってもらうよ?」
僕は手に取った予備の刀を腰から下げる。
これで戦闘準備は完了。
「それか屍晒して?」
手始めに一人の首を跳ね飛ばした僕は刀を振り、壁を真っ赤に染め上げた。
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