第24話
とある一つの大きな宗教『リスティア教』から分岐した三つの宗派とそのリスティア教とは対立する形で存在するこれまた大きな宗教である『ユスフト教』。
これら四つの教えが世界的にポピュラーな宗教となっている。
そんな中、僕が暮らしているマリスト帝国では皇帝崇拝が行われており、初代皇帝であるユリウスを神と崇めているため、リスティア教もユスフト教もあまり浸透していない。
「ほ、本当にここが目的地なの……?教会に行くって言っていなかったっけ?」
「うん。あっているよ。ここがまさしく教会だ」
冒険者ギルドで仲間を募る……そんな方法はもうあきらめた。
何故か知らないけど冒険者たちは全員僕を避けるため、仲間になってくれない。
であれば、別の窓口から仲間を集めるしかない。
今回僕が目を付けた窓口……それが宗教である。
宗教に身を置く神父、シスターたちはみんな僧侶の職業についてそこそこレベルを上げているはずだ。
彼ら、彼女らなら僕の仲間になってくれると思い、わざわざ教会へと
他国であらばリスティア教か、ユスフト教の二宗教の教会ばかりなのだが、この国だと色々な宗教が根付き、様々な宗教の教会が建っている。
弱小宗教組織だと、しがらみも少ないだろうと思い、わざわざ知名度がゼロだと言っても過言ではないような宗教の教会へとやってきていた。
「私の知らない間にダンジョン12階層へと来た……?」
僕とリーミャがやってきた教会は老朽化が進んでおり、アンデッドの楽園であるダンジョン12階層にそびえ立っていても違和感ないような建物だった。
「ごめんくださーい」
「躊躇ないわね!?」
僕は教会の扉を開け、中へと入る。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!」
その瞬間。
僕の方へと女の子が飛んでくる。
「よっと」
僕はその女の子の体をキャッチし、抱える。
「ふぇ?」
僕の手の中にすっぽりと埋まった……ボロボロの修道服を身にまとった肩まで伸びた真っ赤な髪とこれまた真っ赤に光るルビーのような瞳を持った少女。
「大丈夫?」
僕はいきなり飛んできた少女へと視線を向け、首をかしげる。
「ふきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああッ!?」
少女は僕の言葉に答えることなく頬を真っ赤に染め、悲鳴を上げる。
「おろしゅてッ!?」
「うん。良いよ」
僕は少女の言葉に頷き、そっとおろしてあげる。
「さいてー」
「え?なんで?」
僕はここまでの一連の流れを後ろで見ていたリーミャに最低の烙印を押され、疑問の声を上げた。
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