第20話

 従約。

 普段は殺し合うしかない魔物たちと契約を結ぶことで自分の命令を聞かせ、どんなこともさせられてしまう


 この要素の追加によって、今までは一方的に魔物たちが男も女も子供も老人も穴さえあればとりあえず突っ込まれ、苗床にされていた今までとは違い、魔物たちを下にしてエロいことが出来るようになったことで『最果てのダンジョン』をプレイしている益荒男たちが熱狂していた。

 

 まぁ、従約は結構難しく、本当に強い魔物を従約するのであればささやかな課金が必要だった。


「さいてー!本当にさいてーだよ!?」


「ひどいです!本当にひどいです!?いきなり従僕させるなんて……そんなことありますかぁ!?」

 

 女子二人は少女を僕が従約したことに対して強い不快感を示し、僕をにらみつけてくる。


「とは言ってもこの子をそのままにしておくことは出来ないでしょ?鎖はちゃんとつけておかないと」


「……それなら私で良かったでしょ。なんであなたがやるの?いかがわしい目的があるようにしか見えないんだけど?」


「最上位職になっている人じゃないと無理なんだよ。従約は」

 

 従約の制度自体プレイヤーたちが魔物に一方的に犯されるということに対して強い性的興奮を覚えるようになってから追加されたものなのだ。

 最上位職であることが当たり前のような空間だったから、当然従約も最上位職じゃないと出来なかったのだ。


「そうなんだ……というか、どこから仕入れてくるの?その知識」


「私はそうなんだとはならないんですけど!?エッチなことはしないでくださいよ!?」


「ははは、するわけないじゃん」

 

 そもそも僕は見た目が良いから女を抱こうと思ったらそこら辺を歩いている人をナンパしてすぐにベッドイン出来る。

 異世界に転生した僕は見た目で困ったことがないのだ。


「……笑顔でそう断言されるのはものすごく遺憾ですッ!!!」


「なにそれ!?理不尽じゃない!?」

 

 どこぞの島国のように遺憾砲を武器にしないでよね。


「手を出したり、君が不快になるような命令は下さないから安心してくれ良いよ。これからは


「うぅ……言いたいことはいろいろありますが、ここでノーと言えるような状況でもありませんし……頷くしかないじゃないですか!色々と理不尽ですよ。本当に」


「あはは。ごめんね。そういえば、君の名前は?」


「ありませんよ。私に名前なんて」


「そっか。じゃあ、君の名前はアイね!」

 

「ふぇ……?」


「拒否権はないよ?これからよろしくね。アイ」


「……ッ!あり、がとうございます。これからよろしくお願いします」


「なんでアークライトが名前を……?私も考えたかった。しろかみぷんぷんちゃんとかどう?」


「「……ぇ」」

 

 僕とアイはリーミャの壊滅的なネーミングセンスに絶句した。

 その名前は決して人間に名付けるようなものではないし……犬とかでもちょっとどうかと思う。

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