第15話
「誰も……ッ!来ない……ッ!」
「……そうね」
パーティーメンバーを募集してから早3日。
未だに誰も来てくれていなかった。
「なんで……ッ!高望みはしていないのに!」
募集条件は何もない。
初心者さんであれば僕が一から丁寧にビルドを組んで育て、ベテランさんであればそのまま一緒に戦う。
現実世界だからゲームと同じように理想パーティーのような職業を集められないと思って募集条件は何もなしで妥協している。
「なのになんで誰も来てくれないの……ッ!」
僕の次の日にパーティーメンバーを募集していた人はすぐその日にパーティーメンバーが決まっていた。
他の人も同様……パーティーメンバーを募集する掲示板では一つ、ぽつんと僕が出したパーティーメンバー募集の張り紙が貼られている。
悲しい……ただただ悲しい。
こんなにも虚しいことがあるだろうか……?
「多分高望みしてないことが原因……」
「ん?何か言った?」
僕は自分の隣にいたリーミャ何か言ったような気がしてそちらへと視線を向ける。
「いや、何でもないわ……それより、今日も多分無理だからダンジョンに行きましょう?私のレベル上げを手伝って。あなたが最上位職だから、私も早く最上位職になりたいの」
「無理とか言わないでよぉ……うん、ダンジョンに行こうか」
僕は立ちあがり、リーミャと共にダンジョンへと向かった。
■■■■■
ダンジョン内にいる魔物の性質。
別に特に鬱要素のない純粋な殺意だけを持った存在が多くいる中、時には人間を牧場に捕まえて牧場にしたり……体の主導権を奪って人間の意思のまま人間を襲わせたり……犯して魔物の子供を産ませたり。
悪辣非道にして人間の尊厳を破壊するような魔物もまた、多く存在する。
「殺せ……ッ!殺してくれ……ッ!」
「言われなくとも」
僕は刀を鞘から一瞬で抜き、刃を相手の首に沿って滑らせる。
「……死にたく、ない……」
それだけで僕の目の前にいる男の首が落とされる。
「君は既に死んでいるよ」
ダンジョン12層。
死者の迷宮。
死した人間すべてをアンデットに変え、意思を残したまま徘徊させる魔物、ネクロマンサーが数多く生息している階層である。
ゲームだとここで死なせてしまったキャラが敵として泣きながら立ちふさがってくるので、かなり精神が抉られる階層となっている。
「……早く、別の階層に行きましょ。決して気分の良いものではないわ」
「まぁ、そうだな。早く向かおうか」
僕がリーミャの言葉に同意したとき。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!」
誰かの悲鳴が僕のもとに届いてきた。
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