第14話

「ふふふ……ようやく最上位職だ」

 

 宗教上の理由(宗教による国政への圧力)からわざわざ教会にまで出向き、職業を変更してもらった僕は自分のステータスを見て、笑みを浮かべる。

 今の僕は上位職である侍のさらに上、羅刹へと転職した。

 これで火力は大幅アップだ。


「おぉー。良かったわね……それで?サブ職業はいつとるの?」


「羅刹が上げ終わってからかな」


「えぇ……」

 

 僕の答えを聞いたリーミャが引いたような声を漏らす。

 

「……早くサブに騎士取りなよ。危なっかしくて見ていられないよ」


「え?サブに騎士なんて取らないよ?更なる火力を出すために魔法職を取るつもりだけど。やっぱり魔法を使えた方が火力も戦略の幅も増えるよね」


「どれだけ火力を追い求め続けるの!?HPは!?」

 

 僕の言葉にリーミャは驚愕する。

 何をそんなに驚くことがあるのだろうか……火力職なんだからそりゃ火力が伸びるようなビルドを組むに決まっているじゃないか。


「ちょっとパーティーメンバーに結界士がいるわ……切実に必要よ。というか、私のサブ職を結界士に変えようかしら」


「おー、味方に結界士がいてくれるのはありがたいな……ふと今、気になったんだけどリーミャの職業って何なの?」


「……ちょっと前の段階でそこは気になってほしかった。私に興味がないのかと思ったよ」


「いやぁ……自分の職業を上げるの優先にしてて」


「まぁ……色々と言いたいことはあるけど良いわ。私のメイン職業は踊り子。現在のサブが荷物持ちよ」


「あぁー。サポート寄りのビルドか」


「えぇ。そうね」


「結界士いてくれるとありがたいかな。僕、防御力カスカスだし。荷物持ちは別途でメンバーとして募集をかけようかな……錬金術師と荷物持ちの子が良いな」


「え……?何その組み合わせ」


「ん?そんなにおかしなビルドじゃないでしょ。荷物持ちとして持ち運んでいる大量の素材を使ってその場で錬金するんだよ?」


「えぇぇぇぇぇぇ!?その場で錬金したりしないでしょ!?錬金術師は!」


「え?しないの?……その場でした方が相手にあった、そのタイミングに最適なものを錬金出来るじゃん」

 

 錬金術師と荷物持ちの職業の子はPtでやるときの必須枠……そこまで言われるほどに強い子だったんだけど。

 

「そ、そうかもしれないけどぉ……」

 

 僕の言葉を聞いたリーミャは釈然としない声をあげる。


「アークライトが考えることは……本当に安全という大切なものを軽視しているよね……」


「えぇ……そんなことないんだけどなぁ。メンバーか……。僕も羅刹になったし……本格的にダンジョン探索するためにパーティーメンバー探ししようかなぁ」

 

「えっ……本格的に……?い、今までのは……?」

 

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