第2話

クリちゃんと話をしてから数日たった。

ある日曜日の夕方くらいに、ボクは雑木林を1人で散歩していた。

そしたら、突然、コロコロって、昔の手毬のようなもの、足元に転がってきた。


木陰から飛び出してきたみたいだったから、また、その木陰に投げ返してみた。

丸い手毬は、コロコロって、木陰に転がり、そのまま、しばらく、ず~っと奥に転がり続けていた。

ボクは、自分の投げ返した手毬の後を追いかけて行ってみた。


手毬は、コロコロと雑木林の中を転がって、ちっちゃな家の前でピタッと止まった。

家の中から、ちっちゃな可愛いリス、トコトコって出てきた。

歩きながら、そのリスは可愛い女の子に変身していた。


「こんばんは~」

って言ってる、その声は、まさに、あの日の晩に、寝てたら聞こえてきた女の子の声だった。

「うわっ、こんばんは~。もしかして栗の妖精のクリちゃんですか?」


「そうよ。クリちゃんよ...あっ、ていうか、こないだネット見てたら、たまたまクリちゃんっていうキャラクター、他の場所にもいるの、わかったから、それからクリランちゃんにしたのよ...」

「あっ、知ってますょ。なんとなく。クリちゃんっていう、栗のゆるキャラのいるのは」


「そうでしょ~。それはそうと...また会えましたね。今日は、ここまで、わたしの家まで来てくれたから、姿も見せること出来ました」

「なんか手鞠のようなもの転がってきたから、ここまで着いて来ちゃいました」

「手鞠を転がしてみたのよ。えっちな子は丸~い手鞠も好きかな~って思って...あなたのえっちな女の子の絵、わたし大好きだから。そして、あなたにこの周辺の、わたしの大好きな雑木林や丘陵の景色も絵に描いてほしくて...」


クリランちゃんは、スケッチブックと筆と絵の具をボクに手渡した。

ボクは、絵を描くのは、めっちゃ好きだから、スケッチブックに、クリランちゃんにもらった筆と絵の具で、辺りの景色を絵に描きはじめた。


「うわ~、やっぱり上手いわ。あなたの描く絵。わたし大好きよ」

「あっ、そうですか。ありがとうございます」

ボクは絵を描きながら、クリランちゃんにお礼を言った。

「女の子の絵も良いけど、雑木林や丘陵の風景画も、めっちゃ良いですね~」

クリランちゃんは、ボクの描いた風景画をめっちゃ気に入ってくれていた。

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