第3話 絡み始める関係
「なんで?」
きずくと俺は自分のベットの上にいた。
確かに牢屋にいたはずなのに汗だくで寝ていたのだ。とりあえず時計を見てみると、一時前だった。嫌な予感をした俺は、覚えた記憶の無い葵の連絡先を打ち込んで、電話をかけてみた。
こんな時間に電話をかけるのはどうかと思ったが、焦りを感じている俺にはためらうよりも先に動いてしまった。
「うーん なんだい同友。」
眠たそうな声を出しながら葵は電話に出てくれた。
葵の声を聞いたからなのか少し冷静になった。
「ごまんな。こんな時間に電話をしてしまって。」
「それはいいのだが要件は、なんなんだ?」
「今夢を見たんだ。それは牢屋のような場所なんだけど妙にリアルなんだ。ちゃんと意識があって触った感覚もある。そんなリアルな夢を見たんだ。」
と、ここまで言い終える前にいろんな事が起きた。
まず一番最初に電話をきられた。
これを確認しようとしたら今度は葵が目の前に現れて景色が街全体が見渡せるような場所に変わって、
「それは本当なのか!」
と、ひぎきわたるような大声で聞いてきた。
どこか焦っていて、聞き取れない部分があるのだが、
「お前の能力の一つ、予知が開化しかけているのだろう。それが予知じゃないのなら良いのだが、予知とは、未来をみること。すなわち未来までの過程は、見れないということ。だからどれくらい先かわからないし、この行動によっての未来かもしれない。」
と、ぎりぎり聞き取れるスピードで言う。
確かに過去や時間を表す物がなかったから過程がわからないのはわかるのだが、その事より街の方が気になった。それはサイレンを鳴らしながら町のなかを走しるパトカーが、俺の家にむかっている光景だった。
「多分だが、お前の見た光景は明日の朝だな。」
「そう かもですね。」
このときは、今まで見たことのないような真剣な目をしていた。
「そもそも何で春斗は、目をつけられているんだ?」
町を見ていた葵そういえばみたいな顔をしてこっちを向いてきた。
「あれっ 話していなかったですか?」
「私は、春斗が犯人にならないように、受け流していただけだが。」
「確かに言ってませんでしたね。」
俺はパトカーの様子を横目に見ながら先生との会話を話した。
「ふむ なるほどな。」
話を全部言い終わった俺はすでに体が重くて寝てしまいそうだった。目を開けておかないといけないのは分かているのだが、まだ昼の疲れが残っているのか目をつぶってしまった。
「寝てしまったか春斗。」
私はやっと目をつけられている理由がわかったのだが春斗は寝てしまった。だから私は
「もうそろそろ出てきても いいんじゃないか。」
と、少し大きな声をだした。
「うーん。」
「起きたか春斗。」
少しあくびをしてから
「あぁ、起きたぞ。」
と、少しトーンの低い声で答えた。
起きた当初は、なぜこんなところにいるのだろう。と、思い少し不安になったが葵を見ると思い出したかのように 理解ができた。不安な時に葵を感じると元気になるようなことが二回起こったのだが、葵は前世の恋人かなにかだったのか?と思ってしまったが、それよりも葵の服に血がついていることに気がついた。
「おい。どうしたんだよその血!」
「あぁこれか?実は春斗が寝ているときに例の組織のやつがが来たんだ。」
「組織ってこないだの犯人の?」
「あぁ。その通りだ。それらしきセリフがあったからな。」
血がついているってことは、もしかして殺したのか?いや。こんなこと考えないほうがいいな。
「まぁこの話は置いといて、この後どうするんだ?」
「組織の行動を見つつ、秘想石と仲間を見つけようと思う。」
「秘想石ってなんですか?」
「初めてこの世界で合ったとき石を渡しただろう?」
「あの少し温かい石のことか?」
「あれが秘想石だ。秘想石は秘めた想いを石にこめた石のことだ。これは来世でも触れば思い出す石だ。私たちが来世でも集まれるようにと、仲間たちと一緒につくった石だ。」
と、思い出すように語る葵は、少し悲しそうに見えた。
「でも世界が違かったら石は、無いんじゃないですか?」
「でも私の家にあったから、何かしらの力が作用して、どの世界にもあるじゃないか?。」
多分原理なんかはわからないんだろうな。
「そういえばお前にも家族が居るんだから無理に一緒に居る必要はないぞ。。」
「心配するな。私の親は数年前に金を置いて出ていった。それに私の家にいても捕まるだけだろ。」
と、返された。その言葉で気まずい空気になってしまった。
しばらく黙っていると、
「警察が来る前に探しに行くぞ。」
と言われ、走る準備を始めた。
準備が終わり、下山ている時に気になった事があったので聞いてみることにした。
「そういえば 秘想石がある場所の見込みとかないんですか?」
「私の家に一つあったから春斗の家にもありそうだが…」
「引っ越してきたので前の家で捨ててきた可能性があるけど、石はなかったきがします。」
「ふ~む。そうなると学校か。」
と、答えがわかったような声で学校と言っている。
「学校に行っても捕まるから行かない方がいいです。それに確証もないんしょ?」
「確証なんてないが、私の石が近くにあったから以外と近くにある可能性が高いだろ。それに秘想石は魂に反応するから、近くにある可能性は非常に高い。」
「そういえば学校の校長室に紫の石があった気しますけど、あれは違うんですか?」
「確かにあったが、触ってみないと分からないな。」
「流石にあそこにあったらきついですね。」
能力を使いたいとか、前世の記憶が気になるとかじゃないが、少なくとも今の状況を打開するヒントになるだろうからとっておいてそんはないだろう。
「でも例えあの石が本物だとしても取れないし、入れないじゃないですか。止めた方がいいですって。」
「大丈夫だ。」
と一言。自信満々に葵は言ったが、嫌な予感しかない。
「こんなので大丈夫なんですか?」
俺は信じられない光景を目にしながら、不安な思いを葵にぶつけた。
「自分で作ったやつだが、結構できてるぞ。」
と、信用性のない言葉がどこからか帰ってきた。
「今春斗が見てたように、透明になれたぞ。」
そう彼女は透明になっているのだ。彼女は透明魔法を使えないが、それに近い魔法を使い、透明になっている。
「自作ってところが信用できないないんですけど。」
「現に出来るじゃないか。」
「確かに透明になってるけど、ところどころおかしいのでばれますって。」
「信用されないなら信用されるように、行動をしようじゃないか。」
と、少し笑うように言って、学校に向かって行った。
「はぁ~。」
俺は、呆れたようにため息をした。
「ほら 自作もばかに出来ないだろ?」
なんと葵は、ばれずに石を持ってきてしまった。
「本当に持ってこられたんですね。」
「春斗はもっと信じてくれても良いんじゃないのか?」
と、少しどやっている。なんかうざいから話をそらそう。
「それで早く石を渡してくださいよ。」
と急かすと、
「ほら。」
と、軽く投げてきた。
「ちょ。危ないじゃないですか。」
「そんなにそのゴミが欲しいんだろ。」
「えっ。ゴミ?」
葵は、興味なさそうに、そしてダルそうな声で言った。
「その石から力は失っている。それどころか面倒な奴な事になってる。」
「それは、能力に目覚めているって事ですか?」
「そうだ。」
「この石が誰の石だったかまではわからないんですか?」
「わかるが、間違いであって欲しい奴とだけ言っておく。」
と、意味深な言い回しをしてくる。
「じゃあ私の石は、どこにあるんですかね。」
「それは、私が知ってるよ。」
と、聞いたことのない声が後ろから聞こえた。
振り替えるとそこには、ぼろぼろな服を着た青い女性がたっていて、その周りに何人もの人がいた。
「お前は、確か。」
葵は何かを思い出すような怖い表情をしている。
「私の事少しは覚えているんだ。なら消えてもらわないと。」
と言うと、目の前のひとは火を出してきた。
「お前は逃げろ!記憶が欠けてて忘れているが、あいつは強い。」
「だけど他の人は、どうするんですか。」
「炎で食い止めてみる。少なくとも民家の近くなら被害を出さないだろうから そこまで逃げてくれ。追い付いてみせる。」
と、今までにないくらい必死にうったえる。
「わかりました。がんばってください。」
と言って、走りだした。
「逃がすとでも思ってるの。」
と、青い女性が言って火の玉を投げてくるが、葵はそれを水で消した。
「そんな暇あるの。」
すると勢いよく十数人程度出てきて、春斗を目掛けて走り出した。
「そんな数!」
と、言いながら葵は手を振り火の壁を出すが、間に合わず何人かが葵の後ろを走っていった。
「すまん。春斗。」
と心の中でつぶやくと、戦闘態勢をとった。
「紫苑なんだよな。」
と、私は戦闘状態をしながら聞いた。すでに他のやつは倒れている。
「違うよ。私はこないだの組織の幹部。誰と勘違いしてるかしらないけど、あなたを今から殺すよ。」
「いや違うな。さっき『私の事少しは、覚えているんだ。』と言った。これは、会った事があるということじゃないのか?。」
すると今までより顔が暗くなり。
「お前は、本当に嫌いだ。」
と言うと、突っ込んで来た。
私は紫苑は大切な存在だった気がする。でもなぜか紫苑に嫌われている。なぜこんな事になっているのだろうか。 などと考えているうちに紫苑はすぐそこまで来ていた。
「舞い上がれ僕の魔力!」
葵を信じて逃げてきたが何人かが追ってきている。しかも速い。
「速すぎだろ。」
と、言ってる間も距離が縮まっている。
もうダメかと思った瞬間、とてつもない風が吹いた
「あいつも弱くなったな。」
と、上から声が聞こえた。
「えっ。」
そこには、翼のはえた結月さんが居た。
「やぁ。困ってるみたいだね。私が助けてあげようか?」
と、こっちを向いて話しかけてきた。
「どうして結月さんが、」
「おっと話をしている場合ではないね。」
と言うと、結月さんはおぞましいなにかを手から作り上げた。するとそれを敵のいる方に打ったが、それを避けて走ってきた。
「しつこいな~」
と、結月さんが言うと、固まったかのように動かなくなった。
「そんなに命が要らないんだ~」
と、結月さんは楽しげに言ったが、そこには恐怖しかなかった。すると誰も動かなかったはずなのに、追ってきてた人の体がくずれた。
「よかったね私がここに居て。」
「ありがとうございます。」
と、頭を下げて言った。
「頭下げないでいいよ。葵がいなければここには来てないから。」
「葵が?」
「私がここに居るのは、下手な魔法を使って学校に入って来たからだよ。」
やっぱり葵の独自理論は、失敗してたし、敵も逃したから、葵をあまり期待しないようにしようと決めた。
「それで私がきずかれないように魔法をかけて、追ってきたんだよ。まぁ前世も得意じゃなかったから瞬間移動をしてたのに。瞬間移動より疲れないから楽なのはわかるけど。」
「もしかして前世の記憶を完全に取り戻してます?」
「私の事は今はいいよ。その前に私が居るとこは葵に言わないで。」
「それは何でですか?」
「今はその時じゃないんだよ。それよりも伝えないといけないから聞いて欲しい。葵は、戦う前に舞い上がれと言うんだが、それを言ったら逃げてくれ。最悪の場合死んでしまう。それと『この世界は、普通という固定概念と暇潰しという偽りでできている。』この言葉を忘れないで。」
と言うと、結月さんは飛んで行ってしまった。
「もうそろそろ決着をつけないか?」
「それは本気を出していいのか聞いてるの?それならバレバレだね。そんなにぼろぼろなんだから。」
あれから数分戦い続けている。正直まだまだ上の魔法が使えるが、能力に制限がかかっいて使えない。
「なにが起きても良いように備えて戦っているからな。ここで魔力を無くすより、体力を無くした方が回復が速いだろ?」
「それが本当なら耐久したら勝てそうだけど大丈夫?。もしかして頭も回らなくなってきた?」
手にデカイ火の球体を作り、それを圧縮させるながら言った。
「なら耐久させないで終わらせてやる!」
これを投げようとした瞬間、目の前が薄れていった。どうやら結構無理して体を動かしていたらしい。
「全くどれだけやられてるんだよ。」とため息まじりに言った、知らない男の声の声が聞こえた瞬間、とどめをさすように拳が入った。
「なんでボスが。」
と、紫苑が呟いた言葉を最後に倒れた。
俺は民家がギリギリ見えるくらいの場所に居た。ここら辺で待機しとけって言ってたが、戦闘が止まっても帰ってくる気配が無い。
結月さんの言ってることが本当なら結構本気を出している。ならここで待ってた方が身の安全的にも良いだろう。
ここに居ることを決めて、休憩しようと座ろうとしたが、拳を受けてしまい、失神してしまった。
「順調かい?」
ボスと呼ばれていた彼は少し浮いている。
「もう一人の覚醒が起こってしまったことと、私の力が弱まってる事以外は順調かな。」
「そうか。とりあえずこの二人を予定どうりにしておくよ。それまでに鍛えておいてね?いつまでも『転移後』だからって甘えてられないからね。」
と言って、彼は二人を担いで瞬間移動の魔法を唱えた。
「どっちが上かわからないね。」
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