第2話 始まりの朝

「……っべえ今何時だ!?」


自分の大声で覚醒する。朝日の眩しさが俺に告げるのは、いつもより遅い起床なんだよなぁ。つまり何が言いたいかってぇと……


(あっこれ、遅刻だこれ。)


そう思いながら俺こと笠原陽愛かさはらひよりは、いっそ冷静になりまず電話しようとスマホを


[充電してください/0%]


ん~昨日の寝落ちが原因だな、いや俺寝るとき静かだと寝れないしはっはっはっ。いいやモバイルで充電しながら、どっかで起動できたら連絡しよ。


「っと持ち物は昨日詰めたし、着替えたら即出れるな……よし飯食うか!」


分かります?もう遅れて遅れて、個人じゃどうしようもない壁にぶつかるとさ……逆に普段の行動すんじゃん?今の俺がそれ。


「ふーんふんふーん。」


と鼻歌したところで料理なんてもんじゃない、買い置きしてたサンドイッチ食べるだけ。それにコーヒー、これが無くちゃ死ぬ。


「行ってきまーす。」


食べ終われば即外出。誰もいないが出るとき何故か言ってしまう、そんな魔法の言葉を言いながら駅へ向かう。まだスマホは使えない。


「あれ?笠原さんこんな時間に珍しい。」


「ああどうも、いや遅刻しましてねあはは。」


「……行ってらっしゃい。」


「あーい行ってきます。」


小さなアパートの一階には大屋さん、俺は2階の角部屋で朝も早い。早く帰れた日か、日を跨いで帰ってきた朝なら会うけど。

いや全然ブラックじゃないよ?ただ時期によっては忙しすぎてちょぉっと持ち越したり、小さな山が大きくなったりでしてはい。


「え~と今日の予定は……」


そうやって頭の中で予定を組む、滞りなく進めば夕日を眺めて帰れるはずだ。そう思い駅までの道中、普段曲がる角を曲がる。



とたん 俺の世界が 変わってしまった。



急に空気が変わった、というか明るかった周りが暗くなった。何事かと周りを見渡すと壁……だがコンクリートじゃない。土だ。

それに踏みしめる足下も変だ、ジャリジャリと音がしてる。それに、何だ?五芒星って奴?が書かれてる。


(でも誰もいない……俺に何がおきたんだ?)


まるで訳が分からないが、ひとまず歩いてみる。暗い一本道の先に少しだけ、光が差してる。今の状況が理解できないが、ひとまずお日様に会おう。

にしても訳が分からん。仕事に急ぐあまり瞬間移動とか?変な能力に目覚めちま


「……何処、ここ。」


脳内会議をしつつ来た出口、そこから見えたのはそう……森。どうなってる?コンクリートジャングルにいたはずなのに、こんな澄んだ空気!?


「おーい!誰かいないかー!!」


途端に怖くなり叫んでみる、けど帰ってくる声は


[グオーッッ!!!]


あらやだ獣の声だわ。命の危機を感じた俺は、とりあえず五芒星の所に戻ることにした。



はぁ……どうすりゃいいんだこれ。

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今日も暗い洞窟で ハム @rememberme

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