第二幕 水航路の旅編

第五章

01 大草原と旅人


 視界の隅々にまで広がる一面の草原。

 その緑の絨毯に溶け込むように真直ぐ走る一本の街道。

 馬車は果てしなく続くその道を進んでいく。


 自動車道で言えば、街道の道幅は優に三車線分を超えるだろう。

 それでも、どこまでも広がる大草原の中では、この真っ直ぐな街道でさえ情景のアクセントの一つにしかならない。


 ミクリアム神聖国内の主要路は全て舗装路。

 これらの街道は基本的に多層の石積構造。最下層には30cm級の石が敷き詰められている。そこから上層になるにつれて石の大きさが小さくなっていく。

 最上面は石畳か水はけの良い細砂。

 街道がぬかるんだり、水溜りができないように工夫されている。


 パカッ、ガタガタ、パカッパカ、ガガ。

 パカッパカ、ガタ……コッ、パカ!


 それでも、街道の石畳は街中ほど路面状態が良いわけではない。

 そして、それが馬車の大きさと重量に比例して、蹄音と馬車の振動に表れる。

 この点において乗合馬車は最悪。揺れるうえに、かなり騒々しい。

 快適な乗り物でないことだけは確かだ。



        **


 乗合馬車が始発のコンフィオルを出立してから既に二日半。

 馬車の乗客たちの顔にも疲労が窺える。

 その疲労度で乗車場所が何となく想像できたりする。


 乗客のほとんどが目を閉じていて、外の景色を見ている者などいない。

 一瞥には全員が眠っているようにも見えるのだが──。

 馬車の音と振動の中で熟睡できる者などさすがにいない。

 それは目を閉じているエイスも同様だった。


 そうは言っても、乗合馬車の旅はそもそもそんなもの。

 乗客もそれは分かっている。

 それでも一日乗っていると、さすがにつらくなる。

 エイスは始発からの乗客。今日で三日目。

 龍人の体であっても、疲れはそれなりに溜まってくる。


 この星の馬は地球の馬より二回りくらい大きい。

 騎乗での移動は速いのだが、その分だけ揺れも大きくなり、疲労する。

 アルスによると、龍人でも長時間の乗馬は疲労するとのこと。

 荷物さえなければ、走った方が早いし、消耗も少ないらしい。

 それに比べれば、馬車旅は特に何もしなくてもいいのだから、「天国」らしい。

 熟睡は無理だが、いくらでも惚けられる。


        *


 乗合馬車の乗客はほとんど外の景色を見ない。

 空気が澄んでいることもあり、驚くほど遠くまで見渡せる。

 それでもほとんどの乗客は目を閉じたままだ。


 誰も外の景色を見ていないのには理由がある。

 ミクリアム神聖国の内地は起伏がない。一面に広大な草原が続く。

 ただひたすらに……。


 馬車からは、西にギロン山脈が薄っすらと見える。

 国境線上の山脈域以外はとにかく坦々とした平地。

 時々小さな森や林、それに畑か小丘ほどの台地を見かけるが、それら以外は広大な平原。

 そこにいるのも巨大な牛、馬、鹿、羊の類の草食動物ばかり。

 それはあまりに牧歌的な景色。


 エイスは始発のコンフィオルから乗合馬車に乗ったおかげで、座席は中央右端。

 位置的にはそれでも揺れは少ない方だし、外の景色も眺められる。

 最初はその広大な平原を見ながら、その豊かな自然と景色を楽しんでいた。

 ただ、あまりに単調な景色が続き、さすがに半日ほどで飽きてしまった。


『エイス、おまえよく半日も見ていられたな』

『ははっ……、まぁーさすがにもうお腹一杯だけどな』

『ここほど平地の多い国は他にない。

  この大平原と水のおかげで、食料難は過去に一度もなかったはずだ』

『他国に輸出したりしているのか?』

『いや、それはないはずだ。

  他国への援助物資を除いて、食料輸出はしない。

  この国は環境保護を最優先にしているから、作り過ぎや取り過ぎにうるさい。

  耕地の制限もかなり厳しいらしい』

『そう言われてみると、柵がほとんどないな。

  あの牛たちは完全な放牧飼育なのか?』

『はぁ!? なにを言ってるんだ。

  あいつらは野生の牛だぞ』


 エイスの目と俯瞰視が牛の群れと個体の解析を始めた。

 肉付きの良い、おっとりとした動きの牛たちを見ていて、それらが野生の牛には見えなかったのだ。


『おおっ……。

  あれは野生なのか……。

  ────だな。

  野生であの数がいるって……すごいな』

『いやいや、これだけ温暖で豊かな大地なんだ。

  放っておいてもあの数になるんだよ。

  平地には大型の肉食獣がほとんどいないからな。

  むしろ増えすぎないように調整しているくらいだ』


 その調整分だけで地域の食料を十分賄えるのだと、エイスはそこでようやく気づいた。

 農牧地は特定種の農作物や畜産物のためだけに割り当てられる。

 上質なパン等に使われる小麦種は栽培されるが、黒麦や大麦似の野生種は履いて捨てるほど自生している。

 守人族が非常に厳密な動植物の管理を行っていて、このバランス調整の役目を担っている。

 それは現代日本からの転生者には信じられないことだった。


『生活に必要な最低限の食料だけなら、別に働かなくても手に入る。

  だから、山間部の獣人たちはほぼ自給自足に近い暮らしだ。

  それでも家とかはわりとしっかりしてるしな。

  町の生活とそれほど大きく変わらない』

『家とかはどうしているんだ?

  自分たちで建てるのか?』

『あぁ、そうだ。

  獣人たちは結構器用だし、土木建築は得意だ。

  町中の建造物も獣人たちの手によるものだ』


 アルスによると、橋とかの建造物も獣人族の仕事らしい。

 こういう話の時だけ、二人は外の景色を見ながら話した。


 そんな牧歌的な景色の中で、エイスが時々目を奪われたのは、広大な平原の中を流れる河川だった。

 そして、それはエイスだけではないようだ。

 川が見えてきた時にだけ、乗客たちが馬車の外に視線を向けるのだ。


 川幅があり、水量が多いわりに、水流はかなり緩やか。

 そして、水流が緩やかなわりに、大きく蛇行することなく、直線的な川流が続く。

 また、水質が良く、透明度も非常に高い。

 それは日本ではお目にかかれない類の美しさ。

 普通、この水流だと川は蛇行しがちになるが、そうなっていない。同様に、水温の上昇にともない多少淀むものだが、そうなってもいないのだ。

 アルスによると、これはやはりこの国の河川だけの特徴らしい。



        ***


 コンフィオルから地図上をほぼ直線的に南下すること約120km。

 三日目の昼食後から二時間ほどの後、馬車はベノンの町に到着した。

 ようやく馬旅から解放され、乗客たちにも笑顔が戻った。

 馬車から降りてきたエイスが気持ち良さそうに背伸びをする。


 ベノンの人口は約1.5万人。農牧中心の田舎町。

 ここはミクリアム神聖国自慢の水航路網の最北西港。


 ベノンの町沿いにはやや横長の小湖が広がる。

 地球的には夏季のブレッド湖似。日中にはサックスブルーに輝く美しい湖面を見ることができる。

 そこからいくつかの湖を経由し、水上航路だけでインバルの街中に到着できる。

 その船旅客のおかげで、田舎のわりに街はそこそこ賑わっている。


https://img1.mitemin.net/c2/ut/6j9g1tbdhl5ohxivdwm037uwblfc_23b_jv_rq_27pu.jpg

     <<水航路の旅マップ>>

   (近況ノート中にもマップを掲載中)


 馬車を降りたエイスは御者に宿を紹介してもらい、そのまま宿に入った。

 それから少し休憩して、街に散歩に出かけた。


 田舎町だが明るい街並み。

 住人の顔色も同様に明るい。

 見知らぬ街を歩くのは、若干の緊張感もあるものの、やはりわくわくする。

 アルスの街の感想を聞きながら、エイスは港の方向へ歩いていく。


 港が間近に見える通りの一角に切符売り場の看板が見えた。

 切符売り場のショーウインドには乗換等の情報や各船舶の絵などが飾られている。

 そう、この散歩の目的は切符の購入。


 幸いに、明日午前発のストルフォーク行きの切符を購入できた。

 ストルフォークは聖龍湖オペルの湖畔の都市。北の玄関口。


 ここには地球のような旅券の予約システムなど存在しない。

 定時的に伝鳥を飛ばしながら、予約状況を更新していく。

 このため、運良く切符を購入できることもあれば、そうでない時もある。

 数日先の便にしか乗れないこともある。

 ここでは、そうなった時に「運が悪かった」と受け入れる寛容さが必要だ。

 ただ、オペル湖行きの船は全客室が個室。広く豪華な高額室ほど埋まりにくい。


『一日くらい待たされるかと思ってたが、一般室の切符が買えたな』

『ここは始発港だからな。

  それほど待たされることはないさ』

『そんなものなのか?』

『あぁ、そんなものさ』


 アルスはまるで経験者のようにそう答えた。

 エイスの口元がいつものように少しだけ微笑む。


 エイスの切符は一般室(定員二人の個室)、ストルフォークまで。

 ゴードウィクまでは下り航路になり、五日の船旅。

 そこで数日停泊して、今度はストルフォークまで上り航路で四日ほど。

 オペル湖とミシリアン島を観光するため、そこで別の船に乗り換える。

 料金は宿泊費込みでG2S10(金貨2枚、銀貨10枚:約15万円)。


 ペラペラの一枚紙の説明を読む限り、部屋はかなり狭そうだ。

 英国や欧州鉄道の個室とほぼ同様。長椅子一つと固定式テーブルがあるだけだ。

 通路から室内を覗けないコンパートメント列車に近い。

 それが船の先頭から縦に並ぶ構造。


 この船旅では、船は各日の夕方までに川縁の桟橋に停船(停泊)し、乗客はその傍の宿泊施設に入る。

 上級室(定員四人)はG24(150万円)以上。昼食も特別らしい。

 ちなみに、切符一枚で部屋定員までは乗船できるが、夕食は別料金。

 エイスは一人で乗るため、実質二人分の運賃を支払ったことになる。


 この後、エイスは日没までベノンの町を見て回った。

 町の反対側の湖畔に大きな建造物も見えたが、残念ながらそこまで足を延ばす時間はなかった。



      **


 エイスは宿に戻り、一階の食堂兼パブで夕食を取った。

 食後に、果実酒を飲みながら周囲をちらっと見回してみる。

 すると、明日船に乗ると思しき人たちが多数座っている。


 この宿の客は守人族と人族がほとんど。

 理由はおそらく部屋の広さとベッド。

 獣人が泊まるには部屋もベッドも小さい。

 重量的にも獣人の体重には耐えられそうにない。

 エイスの足先も部屋のベッドからは少しはみ出すだろう。

 それに、メニューを見る限り、獣人向けの食事にも対応していなかった。


 その時、エイスの目に若い姉弟と思しき二人が映った。

 人族の姉弟。

 顔や体形もそうだが、オーラが全く感じられない。

 人族でまず間違いない。

 エイスはケイロンを実際に見たことがまだない。だが、二人がそうではないことだけは明らかだった。


 姉の方は15か16歳くらい。弟の方は12か13歳くらいか。

 二人で話しながら食事をしているが、少し緊張もしているようだ。

 整った身なりと食事のマナーから、裕福な育ちと思われるが、姉弟の二人きり。

 落ち着きない様子から、旅慣れしていないのは間違いない。


 この国では、人族は15歳で成人を迎える。

 姉が成人なら、弟を連れての船旅もおかしくはないのかもしれない。

 ただ、なぜかエイスは二人に得も言えぬ違和感を覚えた。

 ミクリアム神聖国の治安は良い。アルスによれば、水航路の船旅は高額であるため、安全とのこと。

 もし二人がエイスと同様に船に乗るのなら、それほど心配すべきではないはずなのだが──。

 それにもかかわらず、なぜだかエイスの胸が騒めいた。



        ***


 翌朝、エイスは宿を出てから、そのまま港に向かった。

 昨日よりも、多くの女性たちが振り向き、彼に熱い視線を送る。


 長耳に眼鏡は変わらない。顎鬚もある。

 だが、この日の彼は顔形変術ミモークをかけていなかった。

 眼鏡と顎鬚程度では、女性たちの審美眼はごまかせないようだ。

 ただ、さすがに追いかけるまでして話しかけてくる女性はいない。

 とりあえずエイスは少し歩みを速めて、港へと急いだ。


 湖畔の港に到着すると、そこでもエイスは女性たちから注目を浴びる。

 女性たちは知り合いか家族の見送りにきているのだろう。

 エイスの登場で賑やかだった改札付近が急に静かになった。


 彼は仕方なくそそくさと改札を済ませて、ゲートをくぐった。

 そして足早に桟橋へと向かった。


 港内に入ると、爽やかな微風が感じられた。

 エイスは少しホッとした表情を浮かべ、歩速を緩めた。


 港内には二つの桟橋があり、船着き場も四か所に分かれている。

 彼は改札での指示通りに、第二船着き場へと向かった。


 そこには縦に細長い船舶が係留されている。


 船の全長は40m以上。

 船首が非常に鋭角で、船幅は狭く、細長い。

 昨日、切符売り場のショーウィンドで見たのは豪華な大型客船。

 一方で、エイスの乗る船はあくまで普通ランク。

 それもあってか、何気に頼りなく感じる。


 その船の構造から水航路の河川状況にも想像がついた。

 水流は穏やかで、強い風や横波を受けたりすることがないのだろう。

 船は二階層構造で上部はテラスになっている。

 案内に載っていた通りに、一階部分に客室が縦列に並んでいる。


 ただ、マストも何も見当たらない。

 エイスは見たこともないその船の構造に疑問を感じた。

 「推進力は?」と問いたくなった。


 エイスは足を止め、その解を得ようと、周辺を見回す。


 そこでアルスが笑いながらそのヒントをくれた。

 ここまでアルスはそれを秘密にしていたのだ。


『船員を見てみろ』


 船員たちは獣人。

 のっぺりとした坊主頭に頭と首が一体になった愛嬌のある姿だ。

 2.5m近い身長だが、肌も少し灰色で、耳がなく、耳穴があるだけ。

 体形もややずんぐりしていて、手足が短い。


『どういう獣人なんだ?』

海牛人かいぎゅうじんだ』


 アルスの返答と俯瞰視の情報からエイスはその解を得た。


『ああっ、そういうことか!

  水中にかなりの数の大型水獣が泳いでいるが……。

  そいつらが船を引くわけか?』

『そういうことだ。

  とは言っても、俺も実際に見るのは初めてだけどな。

  確か……ジャビュルという水獣だったはずだ』


 エイスはその話を聞いて、思わず湖水面へ近づき、そのジャビュルの姿を探す。

 彼は俯瞰視を水中にも向け、その姿を確認しながら、水面を注視する。

 桟橋周辺には、地球のマナティーのような水獣がゆったりと泳いでいる。

 桟橋周辺だけでも二十体以上が泳いでいる。

 ただ、大きさはマナティーの三倍以上もある。

 小さいもので8m級。10m超級が通常個体のようだ。


 エイスが湖水面を見つめていると、二体のジャビュルがゆっくりと近づいてきた。

 エイスがその姿をまじまじと見ていた時だった。

 二体のジャビュルが水面から顔を出して、エイスの所へ近寄ってきた。

 その頭部はマナティーにそっくりだ。


(──かわいいじゃないか!)


 すると、そのエイスの声がまるで聞こえたかのように、ジャビュルが頭部を伸ばしてきた。

 エイスと50cmほどの距離まで顔を近づけてきた。

 そのかわいらしい顔が撫でてほしそうにも見えた。


 エイスは両手を伸ばして二頭を撫でながら挨拶をする。

 何気に念話で話しかけると、まるでそれを理解したかのように反応する。

 エイスは無意識にその念話の反応を解析してしまう。


 わずかな数分だが、エイスはそのジャビュルたちと何となく仲良くなれた気がした。


        *


 桟橋を渡り、船に近づいていくと、港員に再度切符を確認された。

 船内の個室の位置を教えてもらい、船の搭乗階段に足をかけた。

 そこで、船の上から船員たちがエイスに声をかけてきた。


 どうやらさっきジャビュルと話していたところを見ていたらしい。

 ジャビュルが海牛人以外に自分から近寄っていくことは珍しいのだそうだ。

 念話でジャビュルたちに挨拶してみたと伝えると、船員たちに驚かれた。

 海牛人の船員はジャビュルと念話で話し、船を引いてもらうのだそうだ。


 エイスは乗船すると、一度個室に入り、荷物を置いてからまた船員たちのところへと向かった。

 彼はこの船についていろいろと質問したくなったのだ。

 船員たちは気さくで、質問すれば何でも教えてくれた。


 この船着き場周辺にいるジャビュルたちは、別に飼われているわけではない。

 ジャビュルの主食は水藻類なのだが、特定種の果物が大好物らしい。

 海牛人たちとは仲が良く、船を二時間ほど引く代わりにその大好物の果物をたくさん与えるのだそうだ。

 ジャビュルはその果物の代価を目当てに船を牽引してくれる。

 場所場所でジャビュルを入れ替えながら、船を進めていくそうだ。

 過度に疲労させないため、一体に二時間以上引かせることはないとのこと。


 つまり、この船はジャビュル用の果物だけで動かせる。燃料代などかからない。

 四大湖とその川には多数のジャビュルが生息しているので、海牛人が念話で呼ぶとすぐに寄ってくる。

 自然環境維持が最優先のこの国では、ジャビュルは非常に重要な役割を担ってくれている。


 ここからゴードウィクまでは非常に緩やかな下り。

 10m級のジャビュルなら、一体で余裕で引いてくれるそうだ。

 ただし、上りになると二体に引いてもらうことになる。


 船員たちと話しているだけで、エイスの顔に自然に笑みが浮かぶ。

 彼はこの牧歌的な空気と社会生活が気に入ったのだ。


 ただ、せっかちな地球人なら悲鳴を上げるかもしれない。

 ジャビュルは力持ちだがおっとりした水獣。

 それもあって、船の平均時速は20km弱。下りの最速区間でも時速30kmほど。けして速くはない。

 一日に三から四回ほどジャビュルが入れ替わり、一日80~100km超を進む。

 速くはないが、揺れが非常に少ない。そして、静か。馬車とは比較にならない。

 最高にのんびりした船旅が楽しめる。



        **


 エイスは出航してから、すぐに船上のテラスに上がり、お茶を飲んだ。

 心地良い風を受けながら、ボーッと景色を眺める。

 遥か遠くまで延々と続く大地を見ていると、意識までそこに溶け込みそうになる。

 馬車とは違い、乗り心地も良い。

 また、河川沿いには人の姿も建造物も多く、多様な橋も見ることができる。

 船上のテラスから見えるこの川流と周辺の景色は素晴らしかった。

 二時間後に船が桟橋に着くまで、エイスはただただボーッと景色を眺めていた。


 アルスも初めて乗ったこの船と船上からの景色に感嘆しきり。

 その楽しそうな声と話を聞いているだけで、エイスも自然に笑顔になった。



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