第22話


  コボルトキラーを取った後、2日間は休みにして五十嵐さんから貰った温泉チケットでアミューズメント施設の温泉へ行ったり、武器をメンテナンスに出したりしてのんびりと過ごした。


 温泉施設の中にあったゲームコーナーで、最近人気らしいぬいぐるみが運よく取れたので、五十嵐さんへのお土産にすることにした。

 五十嵐さんに渡しに行ったら「これ、全然取れなかったのよ!」と言っていたので、これをお土産にしたのは正解だったみたいだ。




 10月に入ってからは、すぐにゴブリンキラーを狙うことはせず、コボルトキラーを取った時の経験を活かして、まずは効率よく狩るための練習、周回ルートの作製をすることにしたので、ポーション作製でのお金稼ぎも再開することにした。


 3階層でポップするゴブリンは1体から3体。1体だけなら問題なく戦闘出来るので、2体3体のゴブリンとの剣での戦闘を安定させないといけない。


 「2体相手への戦闘はコボルトでも経験済みだから、問題は3体出てきた時か。だいぶ戦闘には慣れたけど、1対3はきつそうだなぁ…。」


 3体相手に剣での特訓もしつつ、基本3体のゴブリンと遭遇したら1体は銃で倒すのがいいだろう。問題は1日の後半で魔力が切れてきてからだ。魔力を節約しても、周回してたらいずれ空になる。そこでどれだけペースを落とさずに戦えるかがゴブリンキラー獲得の鍵になりそうだ。



 これからの計画を立てつつ、明日の朝納品する用のポーションを作っていると、途中から魔力の減りが少なくなっている事に気が付いた。


 「あれ?もしかしてスキルがレベルアップした?」



 ~現在のステータス~

レベル:10

スキル:クラフト Lv.3

   (アイテムを2個同時に作製できる。)

   (ポーション作製時の魔力消費半減。)


生命力:55

魔 力:80/100

攻撃力:14

防御力:14+5

敏 捷:14+5

器 用:55

幸 運:55


魔 法:なし

称 号:Gランク冒険者・スライムキラー(防+5)・コボルトキラー(敏+5)



 「おぉ…。できればポーションに限定せずに魔力消費半減して欲しかったなぁ…。次のレベルアップまでには何か別の物を作った方がいいな…」


 コボルトやゴブリン相手にドロップする物でクラフトできる物は限られている。


 腰巻×木の棒=松明

 石ころ×木の棒=石の剣

 石ころ×錆びた剣=ゴブリンダガー

 石ころ×錆びた剣=ゴブリンソード


 ダガーやソードはクラフトして売ってもお金にならない。錆び取りをしただけで、品質や性能が悪いので使う人が殆どいないんだとか。


 「作るだけ作って、スライム狩りの時に使い捨てで使うようにするのがいいかな?スキルがレベルアップしたしポーション作りは辞めたら勿体ない。」


 「あ~、でも仁さんがクランに誘ってくれた理由ってスキルだろうから、たくさん作れる物の種類が増えるようなレベルアップをした方がいいんだよな。今度会ったら仁さんに相談するか。」


 今の俺には、ポーション以外だと松明や剣類ぐらいしかクラフト出来ないので、ダンジョンから持ち帰れる分だけでポーション以外のクラフトをするとして、本格的にスキルを育てるのは仁さんに相談しながらにすることにした。



 明日からの3階層でのゴブリンキラー攻略の為に、リュックにペンや3階層の地図を数枚入れて、武器の確認もしておく。銃の魔力も満タンにしておいたので準備万端だ。

 

 地図はゴブリンの出現地点をメモする物と、ルートを記入したり移動にかかった時間を記入する物など数枚用意したので、明日取れるデータ分はこれで足りるだろう。


 ひと月かけて特訓とデータ取りをすれば、11月にチャレンジして取れるはずだ。

 今年中にゴブリンキラーを取って、来年から仁さんのクランで活動。楽しみ過ぎる! 


 「…あっ。会費の100万っていつ払うんだろ?今そんな大金持ってないぞ!?分割払いとかでもいいのかなぁ?」


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