第16話
8月末、魔石のドロップ数は70個前後まで増えてきた。このペースで増えていけばキラーの称号も取れるんじゃないかと思う。そして、今日は仁さんに休みの日の相談をしに来ている。
「9勤1休のペースで潜って、日あたりで80個くらいの魔石を拾えると誤差があったとしても安心なんですけど、現状厳しくて…休みにする日も午前中だけ潜ればどうかなと思ったんですけど、やっぱりやめた方がいいですか?」
「ん~、正直オススメはしないなぁ。休む日が無くなれば体のキレも悪くなるし、後半になればなるほど厳しくなると思うぞ?」
「ですよねぇ。今は魔石でホテル代は賄えてるし、溢れるだろう1時間分の魔力はポーションに充ててたんですけど、残ってる貯金使ってもう1本マガジン買おうかなぁ。」
「全弾ヘッドショットでひと月260体分か?無いよりかは成功率は上がりそうだな。まぁ坊主の場合は、万が一金が無くなったらキラー諦めてスライム狩りに行けばいいわけだし、それで来月もチャレンジしてみたらどうだ?俺の予想はギリギリ失敗ってところだな。」
「はははっ」と笑いながら仁さんが俺の体を上から下へ眺めると、「それにしても…」と続ける。
「俺が最初に見た時と比べると別人だな。学校の運動場で訓練するより、実際ダンジョンに数多く潜った方のが成長できるのに、生徒に万が一があるといけないって保身的な教師たちのせいで坊主みたいなもやしっ子が育っちまうんだよなぁ。」
「もやしっ子って…」と思ったが、確かに最初は鉄の剣を帯剣しながら走るのも結構しんどかった。筋トレとかをしていてあの状態だったので、ステータスが低いのが原因だと思っていたが、単純に鍛え方が足りなかったんだろうなと今では思う。
毎日スライムを倒して回ったり、薬草を集めるのにしゃがんだり立ったりを繰り返したり、最近では早くコボルトを見つけるためにダンジョン内を走り回っている。
生活は苦しかったが、ここでしっかり時間を掛けている事は、ステータスの数値には反映されていない、素の体力や運動能力が付けられて逆に良かったのかもしれない。
仁さんのステータスがどのくらいかは知らないが、見た目は超ムキムキだもんな。そろそろ50歳とは思えない体つきをしている。そんな仁さんから見たら、初めて会った頃はひょろひょろに見えたんだろうな。
「無理はせず、休む時は休む」と言われてしまったので、仁さんにお礼を言って別れた後はギルドでマガジンの注文をしてからダンジョンへは半日だけ潜った。
その翌日も午前中だけダンジョンに潜り、射撃特訓と少しだけ剣での戦闘をし、翌々日はダンジョンは休みにした。ポーションだけ売りに行き、注文したマガジンを受け取ったあとは部屋でストレッチなどの体のケアと武器の整備をしっかりとしておく。
剣でのコボルトの討伐数もこの1ヶ月で結構伸びている。それに加えて新しくマガジンも仕入れて銃での討伐数も伸びる。絶対次は称号を取るぞと気合を入れて、早く寝ることにした。
~現在の装備~
武器:レイピア
魔弾銃(ハンドガンタイプ)
予備マガジン3本
防具:戦闘服
革の胸当て
リュックサック
ポーションポーチ
~現在のステータス~
レベル:10
スキル:クラフト Lv.2(アイテムを2個同時に作製できる。)
生命力:55
魔 力:100
攻撃力:14
防御力:14+5
敏 捷:14
器 用:55
幸 運:55
魔 法:なし
称 号:Gランク冒険者・スライムキラー(防+5)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。