第13話「特訓と装備」
エーテルの飲み過ぎによる中毒症状が回復してからは、スライムダンジョンに潜っていた時のように朝晩にポーションの納品を行い、余った魔力で射撃の特訓をした後、剣での戦闘技術を鍛えるために仁さんに特訓を手伝ってもらっていた。
「仁さん、よろしくお願いしますっ!」
「おう!面倒見てやるから夕飯は奢れよ!」
ギルドに帰ってから夕飯前の1時間だけ面倒を見てくれる事になった。お金を払おうと思ったが「飯奢りでいい」と言われてしまったので、ここ一週間は毎日夕飯を奢っている。
今日の特訓が終わり夕飯を一緒に食べていると、仁さんがふと声を掛けてきた。
「やっぱ坊主にはあの剣は重いんじゃないか?」
「一応、買うときにコレが一般的だって言われたんですが…」
「確かに、普通の駆け出し冒険者はみんなその剣を使うだろうけどなぁ…坊主の身のこなしとステータスを考えたら、レイピアみたいな軽い武器のがいいんじゃないかと思ってな」
「でもレイピアだと攻撃が軽くなっちゃいませんか?ただでさえ攻撃力が低いのに…」
「正直、それだけステータスが低けりゃ武器が変わっても誤差だろ。それなら軽くて継戦力を伸ばした方がいいと思うんだがな。ひと月で1万も倒す予定なんだから何度も休憩挟めないだろ?」
「おぉ、なんだかレイピアを買ってみるのも有りな気がしてきました!」
「ここまで言ってあれだが、銃装備も整えた方がいいと思うぞ。マガジンをもう何本か準備しとけ。んで余った魔力をチャージしとけばいい。」
「マガジン高いんですよ…アレ1個3万もするんです。」
「ポーションを精一杯売ればいいさ!時間さえかければ強くなれる。頑張れよっ!」
この数分の間にレイピアとマガジンの購入が決定してしまった。
その後、6月の間に稼いだお金は全て装備代に回ることになり、お金稼ぎと特訓、レベル上げに必死になっていたところ、7月も終わりが近づいてきたころにようやくレベルが10になった。
「坊主!やっとレベル10になったって?」
「はいっ!おかげさまで、ようやくレベル10に上がりました!」
「なら来月チャレンジしてみるのか?武具も軽くなったしレベルも上がった。剣の腕は…まぁアレだが、射撃の腕は上がったんだろ?」
「とりあえず、そのつもりです。やっぱり剣の腕はダメですか?魔力上がりましたけど、弾数的にノルマの半分ぐらいは剣で倒さないといけないんですよ…。」
「まぁ、ちょっとは上達してると思うが、あれだな、坊主はセンスがない!」
「仁さん、酷い!俺めちゃ頑張ってるのに!」
「はははっ!まぁ何回もチャレンジしてるうちに、もうちょっとは上達するだろ!」
仁さんの協力もあって、なんとかチャレンジするための土台が出来上がったので、来月から【コボルトキラー】獲得に向けて頑張ろうと思う。
まぁ来月失敗したらまたお金貯めて再チャレンジするだけだし、気楽に行こう。
てか仁さん、何回もチャレンジする前提で話してるな…。
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