入学式と事件

「えーそれでは、第25回南沢高校の入学式を始めます」


校長の挨拶中、私たちは主人公と攻略ヒロインたちを目線で探していった。


すると私は、オレンジ髪の、いかにも主人公っぽいイケメンが見えると、礼二にもわかるよう


にその人に指をさした。


「あれが、このエロゲの主人公であり、この依頼の最重要護衛対象の加賀裕一だね。神様から伝え聞いた情報じゃあ、見た目と名前ぐらいしかわかんなかったけど」


「それでも、護衛には十分ですけどね」


「それもそうだね。礼二、出来ればだけど、あの人と仲良くなってほしい。その方が堂々と守れるし、単純に友達が増えるからね」


「もちろん。そのために準備しましたから。」


「お願いね。私はほかの攻略ヒロイン4人と仲良くなってくるから」


そう言い終わると、私は校長の方を見る。どうやら、もうそろそろ入学式が終了するみたい


だ。校長の話は長いとよく聞くが、どうやらここの校長はそうではないらしい。


攻略ヒロインは一人も見つからなかったけど、見つけてもどのみち見た目と名前の一致ぐらい


しか出来ないので、問題はない。


ちなみにクラス分けはもう済んでおり、私のクラスには三組で、そのクラスに攻略ヒロインが


二人いる。


礼二のほうは一組で、主人公と攻略ヒロイン一人が同じクラスである。


始業式が終わると、生徒たちは、すぐさま各々の教室へと向かう。


私たちも教室へ向かおうと立ち上がると、突然、叫び声が聞こえた。


「礼二!」


「はい!」


二人は、すぐさま戦闘態勢をとると、外に飛び出していった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る