第32話

「ただいま〜」


「…おじゃまします」


 俺たちはマイホームに帰った。

 さあさあ、もうそろそろできている頃合いだろう。

 料理ではない。


 俺はなんにも使う所がなかった部屋の左の方に行った。

 理由はもちのろん。シズクが魔法陣を完成しているのか気になるからね。

 ま、半日しか経ってないから無理だとは思うけど…。


 ガチャ


 そこにはシズクがいた。

 シズクは何やら確認をしていた。

 手にメモをもち、ペンで何か書いている。

 そして、こっちに気付いたのか俺たちの方に振り向く。


「あ、帰ってたんだーおかえりー…ってそっちの男の子は?」


「ん?コイツ?コイツは…」


「テキントリー伝説洞窟にずっと籠ってたユトです。よろしかお願いします」


「え!?ずっと籠ってたの!?」


「あ、はい。実は…」


 あ、そっちで自己紹介しちゃうのね。あっちで話が進んじゃって俺が入る隙がない。悲しい…






 話が終わった様なので、俺は聞きたい事を聞いた。


「魔法陣ってできた?できてないと思うけど」


 シズクはニッコニコ笑顔で、


「うん!できたよー」


 …え、マジか、

 古代魔法陣を1日で解くって…こいつ、さては天才か…。

 シズクの所に行ったら、そこには、古代魔法陣のと比べ、ちょっと小さな魔法陣があった。けど、ちょっと機械寄り。


「じゃ、早速起動しちゃうよ!出てこい!サーリちゃん!起動!」


 そうシズクが言った。そうしたら、魔法陣から円が出てきた。そこから出てくるのは…


「どうも!みなさんお久しぶりです!いつも元気サーリさんです!」


 サーリさんだった。


「お久しぶり!まあ、さっき会ったばっかだけどね…」


「え?」


「そーだよ!だって、もうコレ一回テスト起動してるもん!」


 そっか。だからこんなにすんなりと。


「でさでさ、この少年は?は!まさか誘拐…」


「違う!」


 サーリさん…俺、誘拐なんて1回もした事ないんで…多分。

 けど、少年をいきなり自分の家に連れてく。これだけ見ればそう思うか。


「まあまあ、ここで話すのもアレだし、リビング行こ」


 そうシズクが言ってくれたので、とりあえず、リビングに行った。





 そして、ユトの事もしっかり話した。


「ほーなるほどね。誘拐って誤解しちゃったわ〜。ごめんごめん。」


 サーリさんはすんなり納得してくれた。





 さて、なんか日本人が4人になっちゃいましたね。メンバーは異様だけど。

 古代魔法陣を1日で解いた天才と、薬を作るのが得意な魔法使いと、テキントリー伝説洞窟にずっと引きこもってたチート少年。そして、攻守ステータス1の魔法しか攻撃手段のない。さらに、1発でも食らったら終わりという超ハードモードの俺。

 …うーんやばい。

 そんな事を考えながらリビングに向かった。

 そういえば、サーリさん来たの割と好都合。かな?




 俺たちはリビングに集まった。

 理由は簡単。


「4人でパーティー組まないか?」


 これだけだ。


 理由は2つくらいある。

 1つは、そろそろ一人でやるのも限界が来たんじゃないか。と思った。

 レベルはまだ上がるけど、流石に効率が悪すぎる。

 あと、テキントリー伝説洞窟に行った時も、ネーネルと2人で行ったのに、レッドドラゴンにやられそうになったし、

 あれは強すぎたけど、


 もう1つは、こんな日本人が集まってるし。日本人だけのパーティーの方がやりやすいと思ったから。

 特に難しいことはなく、これだけだ。

 あと何かを言うなら、役職が素晴らしいぐらいに分かれてるし、

 サーリは状態異常と近接特効。

 ユトは前衛。

 シズクは…なんだろ。知らんわ。

 で、俺は魔法だから後衛。

 前衛1と中衛2と後衛1とこれほどにないほど完璧。

 男女も2-2とハーレムにも逆ハーレムにもならない。良いやないか。



「私は賛成だね」


 この提案にシズクは賛成。


「めちゃめちゃ良いんじゃないん?」


 サーリも賛成。そしてユトも、


「僕もこれで良いかな。楽しそうだし」


 賛成だった。


「よし、全員からの賛成が出た。じゃ、良いな!」


「「「はい!」」」


 こうして異世界人パーティーは結成した。

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