第29話

「『エクスプロン』!」


 ドッカーン!


「『エクスプロン』!」


 ドッカーン!


「『エクスプロン』!」


 ドッカーン!


 …やばい。全然削れない。

 ドラゴンどんだけ硬いんだよ!防御力100000とかもうちょっと減らせよフィリアーネ!お前神だろ!

 てゆうかさっきからMP使い過ぎてる?


 名前 不明 職業 正式な冒険者 性別 男 

 LV 30 ポイント 600


 HP 340/340

 MP 1900/2000



 レベル上がりすぎてるせいで全然減ってないわ、これならまだまだ戦えそう。


 けど…あれ?倒せなくね?

 エクスプロンが消費魔力1だから1900発撃てて、攻撃力が平均300。だから全部直撃したとして570000だね。

 あ、割と行けるな。よかった。

 あの神でも実は倒せませんみたいなことはしないのか。




 エクスプロンを200発打ってぐらいで、ドラゴンの行動が明らかに変わった。

 中距離攻撃のブレスじゃなくて、近距離攻撃の爪攻撃してきたし、エクスプロン避けるし…。更に無理ゲーと化したよ…!!


「『ファイアーボール』『ファイアーボール』!」


 ネーネルも頑張ってるけど…どう考えてもこのままだと5時間は超えるよなぁ…そしたら集中が切れちゃう。

 そんな事を考えていたら目の前にいきなりドラゴンが出てきた。

 ドラゴンはブレスの準備を完了し、避ける時間もないぐらいだった。


 …あ、俺の冒険に、終止符が…


 もう終わった。そう思った。その時、何かがドラゴンを貫いた。




 その『何か』は、どんどんドラゴンを切り裂いていく。

 ドラゴンはみるみるうちに血を吹きだし、最後の抵抗の様に、暴れ出した。

 HPを見たら、もう10分の1しかなかった。

 それでも『何か』は止まらない。どんどん切り裂いて、ドラゴンのHPが1分も満たさずに消えていった。

 ドラゴンは倒れた。





 え?誰?もしくは罠にかかったのか?


「ネーネル。お前がやったか?」


 そう聞くとネーネルは首を振り、


「いや、違うわ。あんな火力でないもの」


 そう言った。

 とりあえず、ドラゴンの死体と所に行った。

 そこには、1人の少年が立っていた。

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