第28話

「『ファイアーボール』!」


 ネーネルさんはロリっぽい声を出しながらそう言った。実際ロリだけど。

 ネーネルさんが出したファイアーボールはそのままドラゴンに…。


 ポコッ。


 こんな間抜けた後と共にドラゴンの体に消えた。ドラゴンのHPを見た限り、150くらいしか減ってない。


「グオオオォォォォ!」


 ドラゴンが怒ったかの様に雄叫びを発し、洞窟内に響いた。

 あぁ…ここで終わるんだなぁ…ここまで、ありがとう異世界…


「ちょっと!?何上向いてるの!?まだ戦ってすらいないんだよ!?てゆうか、私超強いって事、忘れてるよね?」


 あ、そうだった。


「あ、たしかに…じゃあ戦闘全部コイツに任せた方がいい気がするなぁ…」


「戦闘破棄!?丸投げ!?そんなのだめ…ちょ!?」


 うわぁ…話してる途中にドラゴンが来た。


「よく避けられたね。ネーネルさん。」


「よくそんな間抜けな顔が出来るわね!?死ぬわよ!?てゆうか左左!」


「大丈夫。俺にヘイトは…」


 そう言って横に向いた瞬間、ドラゴンがブレスの構えをしていた。こっち側に、

 やば…


「『電光石火』!」


 俺は素早さを今の最大まで上げ、避けた。


「あっぶねぇ…間一髪だった。」


「だから言ったでしょ!?しっかりと集中してあのドラゴンを倒しましょう!」


「…よし!わかった!やってやろうじゃねーか!」


 俺はドラゴンに向き合った。

 でけぇ…すげぇでけぇ…軽く人間の15倍くらいはありそう。

 そう思った。あ、電光石火の効果消えた。とりあえずはエクスプロン打ってみよ。


「『エクスプロン』!」


 ドッカーン!


 当たり前の様にドラゴンの中心部分に爆ぜた。


「やったんじゃない?あんな火力なんだから、きっと一発でしょ」


 …おいおいフラグ立てるな。絶対何も効いてないフラグ出たぞ。

 俺はドラゴンのステータスを確認した。

 …ふむふむ。300削れている。と、あれぇ?俺の方が削れてる。


「あんたの方が魔法格上だからだよー!ファイアーボールがエクスプロンに勝てる訳ないでしょー!」


 …確かに。そう思いながらまたドラゴンに向かい合った。


「グォォオ!!!」


 そんなうるさい咆哮が聞こえた。

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