第23話
「って閉まるなぁー!」
ガチャン!!!
ドアが物凄い速さで開いた。俺の指が挟まった。
「っておい!開けるな!痛っ痛っ!ちょっと待て!」
待って。痛い。指が死ぬ。人差し指と小指が死ぬ。
「あんたが閉めるのが行けないの!」
そう言ってガチャン!と、幼女が盛大に開けた。俺の腕が死んだ。って言うより、
「俺は入って良いなんて一言も言ってない!そもそもこんなロリを家に入れる義務は無い!」
「私はロリじゃない!」
「いやどう見てもそうだから!」
「…けどこれとそれは違う!さっさと入らせて!」
…もうこんな奴入れたく無いんだけど…。面倒くさい…。
「で?何の用だよ?何にも無いなら出て行ってもらう…いいか?」
俺も一応忙しいんだよ…遊びとか実験とか…あとテキントリー伝説洞窟の探索とか。
あ、てゆうかこの礼儀知らずの名前書いてなかったわ、
「お前、なんて言うの?」
「そっちから言ってよ」
おい…俺名前ないんやで…
「…名前ないんだけど、そういう時どうすればいい?」
「…私の名前はネーネル。魔王軍ヘキサゴンの1角だわ。」
おーさらっとスルーして名乗り始めたな。きっと俺を哀れに思ってるんだろう。
…ん?
「へーそうなん…今なんつった?」
「…ほんっと礼儀知らずね「そりゃお前…」良いわ、もう一回だけ言ってあげる。」
おいまたスルーしたよな!その言葉を噛み締め、話の続きを聞いた。
「私の名前はネーネル。魔王リュース様の復活から再結成されたチーム『ヘキサゴン』の1角『
…んーと…何でこんなとこに?
「…なんでここにいるの?」
俺は警戒しながらそう言った。実際、結構怖い。マジで死にそう。魔王軍がいるとか聞いてない。神さんそんな事一度も話題に出してこなかったし…ちくしょう。教えてくれよ…。
そんな俺が警戒していたネーネルから出た発言は予想していなかった言葉だった。
「ちょっとうちの仲間が変なことしたらしいから、代わりに謝りに来たのよ」
まさかの謝罪の言葉を言いたい。それだった。
「…へ?」
謝りにきた?え?え?何のこと?魔王軍って、謝りに来るとこだった?
って言うかネーネルとか言う奴。さっきとは全然違うな。雰囲気が、
「はぁ…根にもってないの?あの魔法封印の件。」
そう言ってネーネルはため息をついた。
「…あー」
なるほど理解。
「あれね、間違えてこっちで暴発しちゃってね…ごめん」
そう言ってネーネルは謝る態度を見せた。
それは俺が最近起きた出来事だった。
魔法封印でまともな魔法が使えず、そのためだけに隣町のメルテーヘルに行った。
しかし、結局は神(空気読まない)が力使って直しちゃった。そんなオチ。
正直あれで良いのだが、1つだけ心残りがあった。
そう。『呪い大全』という本に『かかる方法 人間から魔法で』と書いてあったのだ。一体誰がかけたのか…そこだけ心残りだった。しかし、今の発言を聞いて、この事件の元凶が魔王軍の関係者だというのが分かった。
ちょっと更に詳しく聞こう。
「あのさ、そのかけた人ってのは?」
「こっちの『ヘキサゴン』の一人。『
ふーん…成程…っておい!
「それで良いのか魔王軍!」
魔王軍ってあれだろ、世界征服してやる!って意気込んでる魔王の手助けして人々を苦しめて、勇者が現れて倒されるって奴だろ!何でこんなその配下が謝ったり事情話したりするんだよ!魔王軍のイメージ崩壊しちゃうよ!
「ん?あーなるほどね。なんか魔王軍。話し合って人間と対立しないようにしてるの。対立しても意味無いって結論になったんたよ。そして友好関係を持とうってね。もう国王にはその事を話して平和条約結んだんだよ?知らないの?」
…魔王軍。遂に悪を辞めた。辞めちゃった。俺のイメージ。崩壊したぞ。
「あ、ちなみになんで復活?死んだの?」
「あ、それね。その前に勇者が倒してたから100年ちょいぐらい寝てたの。で、目覚めるまでうちらは解散してた。ってわけ。」
…ちょーかっる。
「あ、ちなみに補足説明をすると、私たちはあくまで魔王軍。そこら辺に自然に出てくるモンスターとは違うのよ。魔王軍は魔王領で生活しているものだけ。そこだけは勘違いしないでね。」
「…ちなみに魔王が寝てた時、何してたの?」
「街を観光していたわ」
…それでいいのか魔王軍よ…
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