第12話

 翌日…


「おーい…もうすぐ着くぞ…メルテーヘルに着くぞー」


「後ちょっとだけ寝させてください」


「だめだ。起きろ。」


 ん…もう着くのか…。そう思いながら、俺は体を起こした。そこに広がっていたのは、ツサガゴンのちょっと大きい。王都みたいな感じだった。

 …これ、建築するのに何年かかるんだろ。

 そう思いながらも、ずっと、メルテーヘルに感心していた。




「ありがとうございます」


「へい。お金貰っとるんだから、当然のことよ」


 俺は馬車のおっちゃんにお礼を言い、メルテーヘルを探索することにした。



 しっかし…さすが王都並みの広さ…っていうか王都だつたわ。しっかりと城があるわ。

 しっかりと武器屋が2.3件はあって、果物屋とか、あと魔法道具やとかある。…けどさ、


「これって…どこに解呪屋あるん?」


 俺は冒険者ギルドに行った。何かあれば冒険者ギルド。これ重要。しっかし…ここはツサガゴンとか結構雰囲気違うなぁ…そう思いながら俺は受付に行く。受付の人って大体が女の人な気がするのは気のせい?気のせいか。


「すみません。あの、メルテーヘルに解呪屋があるって聞いて来たのですが…」


「あ、それならちょうど冒険者ギルドの入り口から右行って細い道を通れば行けますよ」


「あ、ありがとうございます」


 そう言って俺は冒険者ギルドを出て行った。




 ギルドの受付の人の通り行ったら『サーリの解呪・呪術付与屋さん』と言うのを見つけた。その看板は紫の血色みたいな感じがした。もっと言うとお化け屋敷みたいな感じ。

 もうさ、これだと入るのも怖いよ。俺、お化け屋敷とか苦手だし、

 俺は意を決して扉を開けた。


 カランカラン…


 シーン…


 …あれ?誰もいない?

 いやいやいやいやそんなはずがないないないない。鍵開けっぱなしでどっか行くとかない…と思うから多分いる…よな?


「すみませーん。解呪してもらいたいのですが、居ますかー?」


 俺は大きな声で言った。しかし、誰も来ない。

 …本当に誰もいないのか?

 俺は中に入ってみる。電気は…あ、あったあった。

 しっかし…部屋が明るくなると割と綺麗なんだなぁ。ちょっとだけ感心するわ。うちはゴミ屋敷ではないけどちょっと散らかってるし。

 俺は部屋を回った。リビング。キッチン。個室や洗面所まで…あれ?この動きって不審者?

 しっかしいないな…どこいるのか…そう言って外に出ようとしたら…


 コン…


 ん?何か音がしたな…スッゴイ不気味…もうここからでよう。


 コン…コン…


 怖い!もうこれ幽霊とかいるやないかい!もう出よう!出ちゃおう!


 コン…コンコンコン…コンコンコンコンコンコン!


「君さん?何しに来たの?」


 何とキッチンにあった薬缶から出てきた。


「ギャャャあぁぁぁぁ!!!」


 俺はゴブリンみたいな声が出た。

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