第10話

 とりあえず、俺はお得意の素早さでシズクさんの家に行った。

 シズクさんの家は外見は廃墟の様に見えるが、中は凄く綺麗。原理は知らん。

 ここに来た理由はさっきのデバフを解除出来るかの相談だ。



「おーい、いるかー」


 俺はそんな文字に表すと棒読みの様に聞こえる様な声で言った。そしたらシズクさんは、


「は〜い。呼んだ呼んだ?」


 二階に繋がる階段から来た。何かのラブコメ作品のワンシーンかこれは、

 そう考えながら、例の相談の話をした。そして相談の結果なんだけどシズクさん曰く、


「解呪魔法とか分からないから、解呪出来る人探して来なよ、ここからちかかったら…隣街のメルテーヘルが一番近いよ〜」


 と言う事らしいので、色々と準備して来週行く事にした。




 翌日…

 俺はランクアップ報酬の10分の1の1ケットを100エルエールに両替し、冒険の旅に出る事にした。もちろん一人で。


 俺は事前に調べておいた馬車を5エルエールで乗り、隣街、メルテーヘルまでは大体2日か3日。遅くても4日には着く…はずだ。そこにある解呪屋に行って戻ってきたらクリアだ。

 しかし…俺、初めての遠征だなぁ…ここに来てからは、日本にいた時は東京とか行ったけど…多分それよりも長い旅なんだろうな。やんかワクワクしてきた。


 俺は馬車に乗った。初めての馬車だ。中は意外と広い。あいつ(シズク)の部屋の10分の1位だな。もっと分かりやすく言うと大人4人が同時に寝れるくらい広い。

 さらにさらにここ1つの馬車に俺一人しか乗客がおらん。めっちゃ寂しい。他の所にはおるのに…。まあ、一人でも寂しくないから別に良いんだけどね。


 おじさんの掛け声と共に馬車数台が発車した。ガタガタ揺れる。揺れる事で俺に眠気が襲ってくる。寝たい。けど寝ちゃいけない。そう本能が言っている。


 そう…寝ちゃ駄目だ…寝ちゃ駄目だ…ああ、意識が遠のいて…


 ここで俺は思った。眠気には勝てない。

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