第4話 経験した事のない事ばかり
「上手いよ、レーテ」
「ありがとうございます、ソレットさま」
私達兄妹はソレットさまご姉弟と合流し、
私とジャジーラさまは、レベル不明。ソレットさまは、冒険者ランクB相当。兄様はC相当。
これなら、三人か四人組みパーティー一つ。レベルはそこまで高くなくても、西部を巡れるだろうという事になったの。
そして、
何組か面談して、この方たちに決めたのですって。
決めると言えば、どちらも同じ
見聞を広めるためのグランドツアーであって、家としての
んー、気楽で良いわ。
ソレットさま始め、兄様たちも
逆に私とジャジーラさまは、お料理はできないわ。普通の
ソレットさまたちがお料理できるのは、学校で料理も教わるからよ。
今は私がお料理に興味を示したので、ソレットさまが目玉焼きを教えて下さっているの。
「
「どんなことでも、練習する事が
「そうですよね!焼き加減は、成功するようにしますね!」
ジャジーラさまは、私の手元を興味深そうにご覧になっていらっしゃるのだけど。やってみたいとは
「そろそろ良いのかしら?」
「スキレットを揺すって、くっついていなければ。固焼き卵が好きなら、裏返して更に焼くんだ」
揺する?兄様達は他の料理をなさっていて、参考にはならなさそう。
スキレットを揺する?
「こうするんだよ」
スキレットの取手を持った私の手の上に、ソレットさまの大きな手が重なる。そしてスキレットを揺すり、卵が動くようになっている事を教えて下さった。
「わ!動く!固焼きにするには……」
「こうするんだ」
ソレットさまの手が私の手を包んだまま、スキレットを操る。すると、卵が綺麗に空中で裏返り、スキレットに落ちて収まった。
「わあ!凄い!とろとろだったのに、こんな風にくるって裏返るんですね!」
後ろを振り
「あ、ベーコン……」
何だか気恥ずかしくって、
「水分が飛んだな。後は好みのカリカリ具合になるまで、このまま弱火に掛けていたら出来上がる」
まだ近くから響いてくる、落ち着いた低い声。
どうしてかしら?どこも悪くないし、何より、さっきまで何ともなかったのに……。凄くドキドキする……。
初めてのお料理。ソレットさまが教えて下さって、初めて作れたのに……。
ドキドキが治まらなくって、この日の朝ご飯は、あまり食べられなかったわ。
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