第24話 レイリー②
冒険者ギルドに入ると、今日もルシオラの所は空いていた。
本当に不思議だが、実はギルドマスターで皆は遠慮をしていたるするのだろうか?
そういう感じの話を聞き耳を立てた限りではしてはいなかったが……。
「レイリーは冒険者登録の方法はもうわかるんだよな? 金も渡したし……、あそこの美人のエルフの所が空いているから登録して来てくれ。俺たちはクエストボードで何か良いクエストがないか探しておく」
「わかりました……って何ですか! あの魔力は!?」
「魔力?」
「はい、あの受付嬢からは近寄りがたいレベルで魔力が放出されていて、あれほどだと周りをかなり威圧しているはずです。マスターの近くにいると、マスターの特性で
「フィールドキャンセラー?」
「少しこちらへ……。ダンジョンマスターはマスター自体がダンジョンと言えますので、領域と言いかえることができます。ですから、ダンジョンに威圧は通じません。ダンジョン内ではなくとも、ダンジョンポイントがマスターの行動で手に入るのはそのためです」
俺がダンジョンマスターであることは、まだルーナたちに話していないので、ダンジョン関係の話はレイリーが気を使って俺を近くに呼んで小声で説明してくれる。
フィールドキャンセラー……日本語だと領域解除ってなんかカッコイイな!
ルシオラの周囲に人がいない理由がやっとわかった。
しかし冒険者ギルドも良くそんな人材を採用したな!?
「えるふのおねぇちゃん、まりょくほうしゅちゅでともだちいないにょ?」
先ほどレイリーが話したことをやっと理解をしたのか、ヒナが俺たちに聞こえるくらいの声でルシオラをボッチのように言う。
ぞわっ
「お、おかしいな。俺には通じないはずなのに一瞬寒気が……」
俺はそう思い受付を見ると、こちらを睨んでいるルシオラと目が合うのだった。
(地獄耳かよ……。レイリーの小声はレイリーが周りに聞こえないと判断をして話しているから大丈夫とは思うが……)
「ま、まあ何はともあれ、レイリーも多少は影響を受けるとはいえ大丈夫だろ? 登録してこいよ」
「わかりました。では行ってまいります」
レイリーに冒険者登録に行くように話し、俺たちはクエストボードへやって来た。
「さて、今日はどんなクエストがあるかな。ん? 変わったのがあるな。消えた
「行方不明の貴族令嬢探し……それを受けるの? 人数は特に書かれていないから受付にクエストを受けるということを話しておけば、これはたぶん見つからない可能性も高いから、ペナルティなしのクエストなんじゃないかな? それだとたまたま何かを発見した時に伝えれば良いだけだから楽そうね」
「れいじょうさがし! ばじゅらかつやくするます」
「わふぅ!」
てかヒナの語尾が急にどうした? 何かに影響されたのか? 可愛いけども。
というか、その令嬢はもう存在しないからな……。
クエストを受けても、ダンジョンに完全吸収されているので証拠自体が一切残っていないためにクエストの達成は不可能だ。
もし、正しい情報なんてものが見つかるなら、それは俺の行動が見られていたことになるが、その場合でも証拠になるようなものはない。
野盗のねぐらから手に入れたものも、あの貴族令嬢一向は襲われたばかりだったので、彼女に関係するものはないだろう。
「いや、大体、その令嬢の容姿の言及もないし、雲を掴むような内容だ。それに何かを発見した後からでも受注できそうだろ? だからわざわざ先に受注することを言う必要もないだろ」
「えぇ~ ばじゅらのはな、かつやくのきかい!」
「そうは言うけどな、その匂いがわからんだろ」
「そだった……」
「わふぅ⤵」
「バジュラの鼻を活かすならやっぱりカイフー草の採集クエストかな? 他にもいくつか匂いを嗅ぎ分けていたし、キョウジの鑑定を合わせると実入りがかなり良いよね」
「まあ、無難にそうするか。しかしこんなに稼げるのに俺たちがカイフー草を持って行くと量にいつも驚かれるから、あまり人気がないクエストだよな」
「ほんと不思議よね。バジュラが匂いで探せる前から運が良かったとは言っても私たち結構稼いだよね」
「だよな」
レイリーが登録を済ませて帰ってくると、俺たちは常時クエストの薬草採集に出かける。
バジュラの活躍もあって、俺たちは大量の薬草といくらかのゴブリンを倒し、昼過ぎまでの活動で
稼ぎすぎじゃね?
ダンジョンでは宝箱もポイントで置けるようなのでそれらを回収して売ったり、いろいろ稼ぎ方は考えているのだが、普通にやってもかなり稼げてしまっているのは幸運と言えるだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます