第12話 DP
俺はルーナと別れ『人生は一度きり!』に戻ると、一週間部屋を借りる手続きを済ませて部屋へと入る。
「ダンジョンコアがあれば宿を借りる必要はないんだが、ルーナにもここに泊まると言ってしまったしな。それに吸収されているとはいえ、死体が有った所で寝るのもなぁ」
俺は自分の視線の左下にあるスマホやパソコンに良くある歯車型の設定アイコンが薄く赤く光っているのを見ながら呟く。
これはナンナ家で俺の体にダンジョンコアが吸い込まれてから起きるようになった現象だ。
ダンジョンコア自体は意識をすれば取り出すことも可能なのだが、一度体に吸収された時にダンジョンコアと今まで以上に強いパスがつながったような感覚があった。
そしてその時に視界の左下に設定マークのようなものがあり、赤く光っていたことで俺はそれに気づく。
俺がそこに
俺は自分しか周りにいない状態で時々確認をしていたが、本格的にそれを調べるのは今日が初めてのことだった。
なぜならさきほど、一室だけあるコアが置かれた部屋に引き入れた十人の輩の最後の一人が息を引き取り、ダンジョンに吸収された事でやっと内部に誰もいなくなったことから問題なく全ての機能が使えるだろうと判断したからだった。
ちなみにダンジョンコアを取り出しても部屋の中のダンジョンコアが消えることはなく、片手で持てる程度の大きさのダンジョンコアはショートカットのような役割の物ということが判明している。
俺は目の前に現れている透明なボードのログに意識を向けるとそれを遡っていく。
>毒を伴う致命のダメージ。
(20分以内に上級ポーション以上による回復か中級ポーションと解毒剤の処置が行われなければ死に至る)
俺は転移したその日の2度目に腹が刺された時のログを発見する。
「ハハッ。上級ポーション以上の回復でなければ死んでいたとか、生き残れたのはまぐれとしか言いようがない。しかも傷はふさがったのに2週間近く痛みを伴っていたのは毒のせいだったのか?」
俺はルーナが引き返してくると言う想定はあの時に一切していなかった。
刺された後に強く死を意識した事はどうやら正しい認識だったようだ。
俺を異世界に送ったのじゃロリっ子はどこまでこれを想定していたのだろう?
口ぶりでは転移先でそんなに簡単に死ぬのは困る感じではあったが……先に送った半数近くは既に死んでいる状況だ。
送った後に即死亡をしても気にしない程度のことなら本当にルーナと知り合えてよかったということになる。
いや、そもそも人がいる上に転移させなければ絡まれてもいなかったのか?
そんなことを考えながら俺はログを辿っていく。
>モルペウス世界における初めてのコアルームでの死体吸収:DP100,000
>ナイフを吸収:DP100
>衣類を吸収:DP35
・
・
・
俺がログを見ていくと様々なものが
ダンジョン内において人が滞在しているだけでもそのポイントは増えるようで、今回の場合ではコアルームで死亡した時まで滞在ポイントも加算されていた。
「モルペウスと言うのがこの世界の名前か?」
俺はモルペウスと言う名前が転移前における
「現状における総DPは143,350ポイントか……。これは多いのか少ないのかどちらのだろう?」
初めてのコアルームにおける死体吸収で獲得したDPはログを見る限り他と比べると圧倒的に多いが……。
俺はそう思いながら、今所持しているDPで何ができるかを調べていく。
・ダンジョン1階層形成DP100,000
・スライム召喚DP300
・ゴブリン召喚DP800
・スライムポップ地点形成(永続)DP3,000
・スライムリポップ地点形成(永続)DP1,500
「お、10万ポイントがあればダンジョンの1階層を形成できる? 召喚とポップ地点形成の違いは……」
俺は召喚とポップ地点(永続)の違いは何だろうと考えると、簡易的な説明が脳裏に浮かぶ。
「なるほど。ポップ(永続)の場合はそれぞれのダンジョンの能力値で変わるが、一定時間ごとに指定モンスターがポップ……。ポップ地点を形成する方が圧倒的に得なようだな。ただ現状だとスライムしかないからポイントを獲得して使用をしたりする中で呼べるモンスターが増えていく感じか? ポイントをたくさん集めれば色々解放されそうな感じではあるな」
俺は色々と考えながら次はDPで取得できるスキルや魔法の欄を見る。
・火魔法DP10,000
・水魔法DP10,000
・
・
・身体強化DP10,000
・剣術DP10,000
・
・
「エクストラモードで取得することが出来るはずの『地球のものを等価交換で取り寄せるスキル』がないのはまだ解放されてないということか? 見る限りはポイントが1万で取得できるものが選べる感じか」
俺は丹念に何を現状で覚えることが可能なのかを調べて行く。
鑑定やアイテムボックスがあれば取得したかったが、どうやら1万ポイントでは取得できないようだった。
そして空腹を覚えるまで考えながら最終的に、
・無属性魔法
・水魔法
・土魔法
・身体強化(
・恐怖耐性(パッシブスキル)
5つの魔法とスキルを習得した。
「とりあえずはこんなものかな? 腹が減った。食堂へ行こう」
とりあえずダンジョンコアで出来ることをある程度調べた俺は、もしものためにポイントを残したまま宿の食事を取りに向かうのだった。
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