第9話 イズー念動力
折角の壁になっていた木が、朽ち果てていた部分が、小さな竜巻に引き込まれて、ちぎれて飛んで行った。
ブランシュがまたもや落胆した顔で、
「綺麗になったけど、まだ壁があった方がマシだったかも」
と言う。
「そうでもないわ」
とイズーは言うと、両手を広げて、
「うーん、えい!」
と言うと隣の家の朽ち果ててはいない板を、念動力でこちらに引き摺り込み、壊れた板に当てがう。
イズー、力を振り絞り過ぎているのかくしゃくしゃになった顔は酷いものである。
「なんと、この念動力。イズー様は念通力に優れていると思っていたが。しかしこれもパステルナーク様の血か? いや、それ以上かもしれない」
エリオットは、また独り言のように呟くと、イズーによって当てられた板を、自身の念動力ではめ直す。
傍で見ているブランシュは、イズーの念動力の凄さに目を見開いたまま、だらしなく口を開いたまま、立ちすくんで見ているだけである。
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