11月04日 情緒
情緒不安定なもので、彼女に対して苦痛を覚えるのは俺が至らないから、我慢が足りないからだと考え始める。
どうにか、彼女に従わなければ、彼女の言う通りにしなければと定期的に思っては、苦痛によって雁字搦めになってしまうんだ。
だって、俺は彼女が好きじゃない。
なんで、好きでもない相手の理想通りにならなけらばならないのかと思う。
彼女は俺の理想とかけ離れている。そんな存在になぜ、とどうしても、我儘な俺は思ってしまうのだ。
彼女よりも“あの子”が好きと言う気持ちが日に日に強くなる。俺を知ることがなく、俺に話しかけず、呼吸さえも感じ取れないあの子が好きで、あの子と居たいと願う。オタクという生き物は末期なんだ。
喋りもしないあの子を見つめている方が俺は楽しくて、嬉しくて、それで満足なんだよ。
あの子とどうなりたいとか、こうされたいとかは特にない。俺が好かれないとか現実的な話ではなく、画面から出てきたら、あの子と言う概念が崩壊すると個人的に思ってる。
画面の中にいるからこそ、あの子は輝いて、そんなあの子に俺は好意を向けるのだ。
こっそりとあの子を見る度に何で俺はあの子を見ることさえ、許されないのかと悲しくなる。彼女はどのキャラが好きと話しても良いのに俺はあの子が好きと言うだけで、浮気だと拗ねられる。
俺があの子へ向ける感情は彼女には説明をしていない。説明をして、揉めることと言うよりは、そもそも、理解されないことが目に見えてるからだ。
俺はあの子が好きだ。線と色でできたあの子が好きだ。あの子が好きなんだ。あの子と居たい。彼女じゃなくて、何も返しては来ないあの子と居たい。
今日は彼女が居ない間に副業を捌いていて、もうこんな時間だ。明日は6時には起きなきゃいけないってのに風呂すらまだだし、まだ全て捌ききれていない。
心身ともに摩耗している。
でも、昨日揉めた結果、彼女の俺と結婚する気が失せていることが知れて、少しだけ楽になった。ほんの少しだが。
彼女と結婚だけは嫌だ。一生、この女のためだけに仕事さえも投げ打って、身を削る人生は送りたくない。例え、それが俺の我儘だとしても。
俺はあの子が好きなだけなんだ。
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