11月3日 疲労困憊

昨日、俺と彼女は大揉めだった。


事の発端は彼女が俺を迎えに来るかどうかの話で、俺は「仕事で疲れてそうだし、家でゆっくりしてて大丈夫だよ」的なことを送ったのだが、これが不味かった。


彼女は怒ったスタンプを送ってきて、俺は彼女が迎えに来たいなら来て平気と言う旨を伝えたが、そこからは火に油。


彼女の言い分は疲れて行けないなら言う!なのに拒否されたってことは来ないでってこと!=私が仕事明けは今後も来るなってこと!とか何とか。


一応、帰宅後に話し合いはしてみたが、「私は初めから、言葉にするって言ってる」の一点張りで、話にならなかった。


彼女が普段俺に言うように気を使って言ったこと・来られることが嫌と言う話はしていないよとは伝えたが、彼女は理解してくれない。


「私は私が悪くならないように初めから全部言ってる!」との事だったが、彼女からのLINEに「迎えに行きたい」と言う旨はなかったし、気を使っただけでこの反応をされると非常に疲れる。


気を使わずに彼女の言うことに全て「はい」と言えば今度は「ろくでなしくんは我儘」と言われるし、俺はどうしていいのかわからない。


そしてなにより、仕事明けでこの子の相手をしていける自信がまた一つ減った。


今までは仕事がなかった分、俺が適当に……と言うのには語弊があるかもしれないが、ひとまず、彼女が不満をあげれば俺が折れてYESと答えるだけで良かった。が、仕事をしながら、相手をして、YESの工程にたどり着かなければならないのは身が持たない。


仕事以外にも俺は校正の副業をしていたりするのだが、彼女はそれを遊びと形容し、俺が校正の仕事のためにスマフォやパソコンを触ろうものなら、小言をこぼす。


副業をしなければ給料が入るまで経済状況が厳しく、その話もしてはいるが、彼女は理解してくれない。


理解のある彼女と名を打ってはいるが、その実、理解があるのは人格だとか環境の話のみだ。


多分、この愚痴も彼女の顔をみた人間からすれば俺の我儘なのだろう。


これが倦怠期なのかはわからないが、彼女といる事が精神的に辛く感じることが日に日に増えている。それはきっと彼女も同じなんだろうが、少なくとも俺には耐え難い苦痛だ。


来年の2月には経済的にも落ち着くと思う。その頃に別れることを目処にもう少しだけ、頑張っては行きたいが、踏切を目にする度に飛び込んで楽になりたいと思う。


それに彼女は俺がバラバラになろうが、恐らく、悲しみもしなければ関心を向けることもない。


彼女が欲しいものは人間ではなく、自分の理想の見た目と動きをする人形なのだと言うのは数ヶ月付き合っていて理解した。その顔なら、そう言う価値観もまた許されるだろう。


けど、その顔を好きと思えない俺は人形にはなれないらしい。きっと、全てはその顔を好きと思えれば解決したに違いない。


俺が彼女の顔を好きになれないばかりに今日も上手くいかないのだ。


はやく人並みの感性を手に入れたいと言う気持ちと、はやくここから逃げ出して、楽になりたいと言う気持ちが半々だ。


彼女は今日も人形のように綺麗なまま生きている。


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