怪談話、のはずですが、本人達すらも首を傾げながら喋っているような温度感がむしろ生々しく恐ろしかったです。語るには些細で、忘れるには違和がありすぎる……。理屈をつけようと思えば、無理やりなら、なんとかなるそれらしくできるかもしれない。だけどなんだか落ち着かない。だからなおさら怖い。この塩梅がとてもエピソードとして絶妙でした。そのうえで、もやもやと終わるのではなく作品としてオチはきっちりつけているところもまた、的確で素敵です。どうぞ皆様にも、好奇心たっぷりの目で読んでみて欲しく思います。