ハリー

ベランダには緩やかな風が吹き、10月にしては心地よい夜だった。


彼の上の空だけは雲が晴れ、月は隠れ一等星が輝いている。


それは東の空の雲の中から現れた。白の光球に青の尾をひくその星は三秒間彼に向かって語りかけた。エネルギッシュに輝き、命を削って美しい尾を描き、そして颯爽と雲の中に消えていった。


地球を通り過ぎ、遂にその星は燃えつき、静かに消えていった。

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夜行星 流 裕 @1098944

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