握手
帰ってくるなり必死に謝る健人を沙羅は優しく迎え入れた。健人が割った皿の破片もすっかり片付き、テープで繋ぎ止められた写真でも、玄関の鏡の中でも、2人は確かに笑っていた。
しかし健人には気にかかることが一つだけある。
ーーあの男は生きている。死んでいるなんて嘘に違いない
妻が寝たあとで健人は起き上がり、あの手の温もりを思い出しながら空を見上げた。
ーーあの男は優しい男なのだ。だからこそ、こうしている自分にもう一度会いにきてくれるはずだ
時計は二時を回り、三時を回り、空にはいよいよ金星が上がろうとしている。頑張って起きていた健人も夜が明けると共に健人は遂に寝落ちしてしまった。
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