第508話 言ってる意味がわかんねー 上
──なんてことにするわけないじゃない。
まだ巫女たちとの温泉イベントが残っている。こんなところで死んでらんないわよ!
のんびり過ごしていると、聖騎士団の先発隊が帰ってきたとの報がわたしのところに届いた。
三日か。かなり急いだみたいね。
王都からログライス伯爵領まで馬車で約十日。早馬なら三日くらいが妥当か。わたしが消えてすぐ走らせた感じね。
あ、こちらから伝令を走らせるよう言わなかったっけ。今から出してもらうとしましょうか。
侍女に言って伝令を呼んでもらった。
「……よ、よかった。ご無事でしたか……」
聖騎士の……なんて名前だったかしら? いつもライルス様の横にいた方だ。
「ご心配をおかけしました。レベル7の渦は浄化させました。わたしもこのとおり無事です。まだ疲れは取れてませんけどね」
ハンカチを出し、大量の汗を拭ってあげた。早く水浴びしてきなさいな。
「国王陛下にライルス様に伝令を走らせてください。わたしは無事だと」
侍女に伝え、聖騎士に感謝を述べて下がらせた。
転移の指輪は満タンにしたからこちらからいっても構わないのだけれど、まだ忙しいでしょう。ルーセル様やタルル様がいるんだから任せるとしましょう。てか、本来はあのお二方の役目なんだからがんばってくださいな。
部屋でのんびり過ごし、朝と夜にはお風呂に入る。
もちろん、侍女も一緒に入るのでスケスケおっぱいが絶景かな。なんだろう。あそこがないからたぎりはないけど、魔力に変換しているようなしてないような? まあ、わたしはおっぱいでやる気スイッチがパオ~ン──ではなく、オンになるのよ。
「ここのお風呂は気力か増してくるわ」
女でよかった。もし男だったらパオ~ンが暴れているところよ。
「このお湯は火傷にも効果があるのですけど、チェレミー様の火傷は一向によくなりませんね」
侍女とは少しずつ打ち解け合っているので、声をかけてくれるようになったのよ。
「この火傷はわたしの罪だからね。消えなくて当然よ」
火傷はシールみたいなもの。酸のお風呂にでも入らないと消えないでしょうよ。いや、わたしのほうが先に溶けるか。ナハハ。
「前から気になっていたのだけれど、その湯着は動き難くないのかしら?」
ポッチちゃんが見えるくらい薄いけど、腕まですっぽり隠し、浴衣のような感じだ。邪魔じゃない?
「少々動き難くはありますが、そう着るものではありませんので」
「王妃様は、毎日入らないの?」
「はい。いつもは部屋で体を拭くくらいです。湯に入るのはそうはありません」
「もしかして、わたしのためにお湯を張っているの?」
「チェレミー様は湯に浸かるのが日課だと聞いております」
あらら。それは悪いことしたわね。なら、もっと心のパオ~ンをもっとパオ~ンしてあげなくちゃ。
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