第470話 聖衣(渦浄化儀式服) 上
村はそれほど破壊されてはおらず、自分たちで直せると言うので、ルーセル様の名前で見舞金を渡した。
不公平感とかいろいろあるだろうけど、マルジング伯爵と会わない謝罪金だと思ってください。これ以上、手間をかかるのは嫌なのよ。
「タルル様。渦はどこですか?」
「あちらの方向だな。馬で走ればすぐだ」
「歪な魔力をいくつか感じるぞ」
それはかなり渦が育っている感じね。ったく。もっと早く見つけろよ。
「ライルス様。討伐隊を組織してください。もちろん、ルーセル様の護衛は残してください。タルル様。館からレオたちを連れてきてください」
「お前も出るのか?」
「巫女たちだけにいかせるわけにはいきませんからね。ジェンはメイドたちを守りなさい。マニエラはついてきて。ランもよ」
さすがにわたしだけは周りが許さないでしょう。マニエラとランは連れていきましょう。
「巫女たち。聖衣を」
わたしが考えた渦浄化儀式服だ。作ったのは服飾メイドだけど。あと、聖衣と書いてクロスと呼ぶわけじゃないからご注意を。
「アマリア。わたしも着替えるわ」
すぐに着替えるようメイドに指示し、着替え終わる頃にはタルル様がレオたちを連れてきてくれていた。
ちなみにわたしはいつもの騎乗服。ベールから狐の面に換えました。
「チェレミー様。遅れて申し訳ありません」
白と赤の聖衣。巫女服をベースにゴズメ王国の衣服に馴染ませ、背中に世界樹を描いてある。
杖がちょっと違和感があるけど、それは次回に取っておきましょう。
「問題ありません。聖衣はどうです? キツいところや動き難いところはありますか?」
服飾メイドに任せていたから着ている姿はこれが初めてなのよね。
「大丈夫です」
「とても着心地がいいです」
一回りしてもらい、聖衣をじっくり見せてもらった。
「うん。とても素敵だわ」
おっぱいが強調されないのは残念だけど、エルフの世界ではあまり巨乳って求められないのよね。貧乳こそ正義! みたいなところがあるのよ。いや、貧乳も貧乳で素晴らしいけどね!
「ありがとうございます!」
別に巫女たちが感謝することでもないのだけれど、お洒落な服を着ることが嬉しいのでしょう。普通のことが許されない環境にいたからね。
「さて。これから渦を浄化しに参ります。今回は、渦が育っており、渦に歪められた魔獣がいます。恐れるなとは言いません。これから命を懸けねばならないのですから。でも、その聖衣はわたしの力をすべて注ぎ込んだことを知っててください。自分たちの力と聖騎士様たちの力を信じ、立派に役目を果たしてください」
グリムワールを振るい、幸運上昇の付与を施した。
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