第8話初めてのバイト、初めてのキャンプ
「んあ~ きつい 倒れる 帰りて~」
俺はかれこれ2時間重労働のバイトをしている 何しているかといえば、テントの骨組みを運び、何十キロもある重りを両手に抱え走り回っている それに比べあいつは
「これってここでいんですかね~」
「うん そこであってると思うよ」
バイトで一緒になった大学生らしき女子とワイワイ喋りながら建物内の椅子運びなどをしている
何だこの格差は?まじ帰りたい
「ほらーさっさと動け時間ないぞー お前が二個重り持ってく間に俺は、4個持って行ってる」
「はは すごいですね~ すみません遅くて」
なんだよ!いきなりマウントとってきて当たり前だろ ゴリラみたいな体格したやつにマッチ棒の俺がかなうわけないだろ しかも、4個持っていったらどっか行ったし
本当に自慢したかっただけかよ! まじ帰りたい
「休憩ー 昼めし食うぞー」
「はーい」
やっと休憩だ このバイトの良いとこは昼飯休憩の一時間もバイト代が出るとこだ
ずっと昼飯休憩にならないかな?
「どうだ初めてのバイトは? まあ俺も初めてだけどな」
「どっかの誰かさんみたいに女子とキャッキャしながらバイトしてないのでめちゃくちゃ頑張ってます」
「なんだよそれ 別にキャッキャしてないぞ」
まあ リア充のあいつからしたら、あんなの当たり前なのかもしれないが、俺からしたらキャッキャしてるようにしか見えないんだよ ばーか
「あっそ よかったな フンっ」
***
「ここまでー片づけろー」
「はーい」
「よしっ 終わったー」
やっと地獄の設営が終わった まじで腕に力が入らない
「やっと終わったな」
「おう」
途中からこっちに合流した友人が言ってくる こっちに来てもすぐ偉い人と仲良くなって楽な立ち位置にいるのずりぃな~ コミュ力って大事だな どうすることもできないけど
「それじゃ片付けも終わったし 買い出し行ってキャンプ場に行くか」
「そうだな」
俺たちは、バイトが終わり安いスーパーで肉やジュース、お菓子などを買い込んでキャンプ場に向かった
【キャンプ場】
俺たち以外は普通の平日で人がいない ほぼ貸し切り状態だ
「貸し切りじゃん 騒げるぞ光樹!」
「俺にそんな体力は残っていない」
バイトでもう体中が悲鳴を上げている
「現役高校生が何言ってるんだ じじぃみたいなこと言うなよ」
「まあ とりあえず 寝るための準備をして、少しゆっくりしようか」
「おう そうだな そのまま寝そうだけど」
布団しいたら3分で寝る自信がある
「ばか 寝かせるわけないだろ今日はオールだ」
俺たちは、コテージの二階に布団を敷き、お菓子を食べながらゆっくりしていた。
バイト終わりということもあり、ゆっくりしていると瞼が重くなる。
「そろそろ、バーベキューの準備をしようか このままじゃ寝てしまう」
「おう そうだな」
「じゃあまず 食材の下拵えをしよう」
「おう 頑張ってくれ!」
俺は、自慢じゃないが調理実習以外で料理をしたことがない
「何言ってるんだ? 光樹もやるんだよ」
「やると言っても、何したらいいが分からんぞ」
「それは俺が言うから安心しろ まずは玉ねぎの皮を剥いて輪切りにしてから、それが終わったら次はズッキーニも同じように輪切りだ」
「おけ 任せろ」
***
「やばい 玉ねぎがー」
玉ねぎを切っている途中に視界がぼやける、マジで涙出るんだな てか輪切りってどう切るんだ?
まあ 適当でいっか
「おい 光樹輪切りだって言ったろ!なんで縦に真っ二つに切ってんだ」
え?じゃあどう切るの?
「そうだな 手本を見せなかった俺が悪い」
多分、俺が悪いが、本人が自分が悪いと言ってるんだきっとそうなのだろう
「そうだな お前が悪い」
「これは全部お前に食わせるからな!」
そんなこんなで、食材の下拵えは終わり、外に出て火の準備をする。
また俺も、手伝わないといけないのかと思っていると、いつの間にか火がついていた
こいつ手際いいな
「よし 火もついたしさっそく焼くか!」
俺は正直座ってるだけでいい、勝手に皿の上に焼けた肉を置いてくれる心優しい友人がいるからだ
俺のをもらってくれないかな?
「食ってるかー光樹」
「皿の上に次から次に乗せてるのは誰だよ」
「あはは」
なんか妙にご機嫌だな?
ん?ちょっと待てあいつが飲んでるの!
「お前それ酒じゃねぇか」
「ん? そうだぞ光樹も飲むか?」
「飲むか?じゃねぇ俺たちは未成年だぞ」
「まあまあ そんな固いこと言うなよ 俺は成人するまで生きているか分からないんだぞ」
「そう言う問題じゃ...」
「ほら」
よくある果物のお酒を投げてくる
「ったく バレたらお前が怒られろよ」
プシュッ お酒の蓋を開けて一口飲んでみる まぁ家ではたまに親から貰ってるんだが、外で飲むのは少しいけないことをしているようで、いつもよりうまく感じた。
いけないことではあるけどな
「よし そろそろ中に戻るか」
「そうだな」
いい感じにアルコールが回り、火の後始末をして中に戻る
それから少しトランプとかをして遊んだ
「そろそろか」
「何がそろそろなんだ?」
友人が外に出る
「おい 待てよどうしたんだ?」
「見ろよ この星空」
友人がそう言い、上を見上げると、いつもは街の明かりで見にくい星が空に広がっている
「綺麗だな」
「そうだな〜」
「俺はさ、将来海外に行きたいんだ 何かしたいってわけじゃないけど行ってみたい」
友人が将来のことを言い始めた
「いいんじゃないか? お前英語得意だし」
「光樹は?将来何したい?」
「俺は、プログラマーになりたいな」
「お前っぽいな でも、なれるのか?光樹の成績で?」
「うるさい 余計なお世話だ」
友人は笑っていた
くだらない話を星空の下で小一時間話し、部屋に戻って、寝ることにした。
「おやすみ 光樹」
「はああ〜 おやすみぃ〜」
欠伸をしながら布団に入る
バイトの疲労と焼肉の満腹感からすぐに意識が薄くなり、深い眠りに落ちていった。
俺はお前が羨ましい! オレハ・ショウ @mi-sho
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