第4話 一章① 『〝パンドラ〟と〝ケルベロス〟』

 もう一度だけ、神代彩葉かじろいろはと言う少女について説明をしよう。

 彼女は不幸体質―――――というには少し語弊があった。

 不幸を呼び寄せる、というよりは、と言った方が正しい。

 裏を返せば彼女は幸運ラッキーなのだ。

 もう一つ言えば

 先に起きた事件では『影』を操る能力者が彼女を襲おうとした。

 しかし、その能力者はある『組織』によって刑務所など生温いと感じてしまうほど過酷な『収容所プロトガル』に連行されてしまった。

 これも見方によれば彼女に関わったから不幸が訪れたと言う事になる。

 神代彩葉には不思議な〝力〟や〝魅力〟があるのだろう。

 それを手に入れようと活動しているのは個人だけではない。

 色々な組織や宗教、そしてまでもが彼女に近付いてくる。

 次第に彼女を皮肉を込めて『厄災パンドラの魔女』と呼称するようになった。

 そんな彼女パンドラを守護する『とある組織』についてだが、それは彩葉を『守護』する事を軸にし、原因究明の観察や保護を主体とする組織である。

 神話に登場する『厄災パンドラの魔女』を守護する地獄の番犬という意味を込め――――〝ケルベロス〟と名乗っている。

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