第2話 色のささやき
夜空に瞬く星々が目の前に広がり、勇気は思わずため息をついた。この奇妙で美しい色彩の星での出来事が、まるで夢の中の出来事のように思えた。彼は握り飯を分け与えたピンク色の声を忘れられず、そのエネルギーが体の中で温かく感じられることに驚きを覚えていた。
「次はどの星に行こうか…」
勇気はソリに再び乗り込み、たずなを握りしめた。その瞬間、耳元で小さな声が聞こえた。
「待って!行かないで!」
驚いて辺りを見回すと、今度は鮮やかな青色の光が彼の前に浮かび上がった。その光は、まるで生きているかのように柔らかく揺らめいていた。
「私は青色。この星であなたと話すのをずっと待っていました。」
勇気は一瞬戸惑ったが、青色の声に耳を傾けることにした。
「何を話したいの?」
「あなたがサンタクロースとしての使命を果たすために、私たち色たちは協力したいのです。私たちの力を使えば、あなたの旅はもっと素晴らしいものになるでしょう。」
「どうやって協力するの?」
青色は微笑んでいるかのように、さらに明るく輝いた。
「私たちの力は、感情やエネルギーを伝えることができるのです。私の力を使えば、あなたはもっと多くの子供たちに喜びと夢を届けることができるでしょう。」
勇気はその提案に心を動かされた。
「ありがとう、青色。君の力を借りて、もっと素晴らしいクリスマスを作りたい。」
青色の光は一層輝きを増し、勇気の体を包み込んだ。すると、勇気の体が青色のエネルギーで満たされ、そのエネルギーが彼の心を暖かく包み込んだ。
「さあ、次の星へ行こう!」
勇気は新たなエネルギーを感じながら、ソリを再び走らせた。
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