第13話 果報は寝て待て
感性が、楓花に飲ませたものに見覚えがあった。
うさぎの想い出に残る状況は、川で溺れ掛かり幽体離脱を経験し、魂となり記憶したものを実体に持ち戻ったものだった。
ただ、幼少時の古い記憶なので、色褪せて終っていた。当時の想いは、無我夢中の抗い時ということもあり、心の痛手を考慮して要るから、禍々しさが否めなかった。冷静な判断をできる今振り返っても、そこに真実を見出だすことは出来ないだろう? 冷静な判断ができる心でも、死に抵抗している時に平常を求めても、
楓花に抗いは見えず、密約を交わしたことだけが、うさぎの心に安堵感を与えていた。
振り返ることのできる記憶を
人間界の裁判は、人間が人間を裁くが、そこに怨みを抱く現世に対し、魂となった時空間は、同じにみえて、まったくのべつものなのだ。
そのふたつの世界を行き来するのだから、求められるのはアスリートたちの云う、ひとりは大勢のためにであり、大勢はひとりの集合体でしかない。古くは、大は少を含み、少の集まりが、大を形成する、と云った。
七十億を越える現在は、ひとりの男が、ひとりの女と出会い、愛を育んで、三人・四人と増えたものなのだ。それは、聖書にも綴られているし、人の世が続く理由なのである。そしてうさぎは、人間の悪意を吸い出す儀式が、
移り変わる世が儚さを纏うのは仕方ないにしても、個人の観点で平穏が装うならば、人間の知恵が幼いことを証明し、最下層の喜びは
誓約を守れなくなった現代人に必要なのは銭ではなく、努力と忍耐力なのだ。徴収するものが米から金に推移しても、管理者が過ごし易い部屋で
枯れ木も山の賑わいなのは、吸収する水の浄化を育むからで、山火事で朽ちた木にしても、栄養素となるものの脱臭にもひとやく
自然が織り成す力に比べれば、人間の知恵も未熟にしか
津波の被害が甚大なら
そちらばかりに気を向けて
鉄砲水に流されることを想定できず
被害にたどりつけない
グラスが手に収まれば
その
その原理を知る科学者たちは
層に護られている状況下を
グラスに見立てることもできず
犠牲者を生み出した
この世の中が地獄となった今
産まれることが
災難になって終った
掬いの手は
厚顔無恥の知識となり?
盛者必衰の理 も
日差しに霞む錯覚と
念仏を唱えるしかできず
という、うさぎの想いが吐き出されていた。
うさぎの想いが導き出したものを例とするならば、神にされた者が先住民族になる。この場合の先住民族は、高度文明を誇った者たちで、その形跡は数少ないながら残っている。その高度を築いたものが科学とすれば、神の領域の遺伝子操作で子孫を残したに違いない。その不謹慎に反骨した者たちが肉体論派たちで、地球を煙幕で包み光を断って氷河期を造り出したのだ。取り繕ったような言い訳で、真意は隠された。それが、巨大化した悪意(恐竜)の眼を奪うもの? であり、誤算がイレギュラーとなったから、想いの外長引いて終った。傲慢に進めた高学力者たちをも一緒に始末するはずだったが、長引いたことで代を重ねたから、結果往来となった。
永い洞窟の生活の中で、少ない体力すらも奪われたから、ホモサピエンスになった。だが、高度文明を造り出すほどの知識人だったから、貧相な体力を捨ててでも、生き残ることに執着した。
体力を持ち合わせた者たちにとっても、それなりの覚悟を持つ知識人であったから、原人として復権を謀ったなら、交配で少しづつ頭脳を取り戻したとなり、奴隷の様に扱われた仕返しで
イエス様が受けた、神になるための修行や、争いを嫌うお釈迦様の取った行動にも合点がいく。そして宗教に頼る人間が出ることを、
少しずつ高度文明が開かれることで、終ることへの不安を最小限に抑えたこと等は、同じ轍を踏まないことを意思表示とし、先走る者を戒めているはずだ。
この流れを本筋にするために必要なことがひとつだけある。それが地層であり、分類を多くしたことで、起きた可能性もあるが、水の浸透力の計り知れなさ? とも云える。それだけでなく、水が気化するために必要なエネルギーが、伸縮性から生まれるとしても、その法則性が解き明かせないから、様々な現象を起こしているし、眼に見えないことを理由にして、謎を残していることは、不可解極まりない。だから、一説の範疇から出れなかった。うさぎが死なない理由がまさにそれであるが、楓花に伝えない理由は果報は寝て待ての戒めと同じで、時間の経過に頼っているからだった。そしてそれを隠すために、恐竜たちが近親であることを、遺伝子が教えていると繋げたのだ。
獰猛な獣たちと同様で、恐竜の子孫ゆえに、弱肉強食を生業にしたと繋げ、綴ったようだ。だからだろう、停まらぬ時を手玉に取るために、異時空間を行き来するための魔法を、絶滅したはずのサンスクリット語に因んでいた。
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