第11話 無関心ではなにも変わらない
想いもそうだが、育むことは根気と努力で、育てるしかない。
その背景にある、生命の始まりが単細胞で、世界樹の根が張り巡らされた経緯が有力視されるから、頭を
言葉を駆使して方向性を逸らされれば、思い込んだ脳が結論まで勝手に導くから、騙されて終うのだ。その多くは犯罪だが、物語や記述の改ざんも、そうやって培って来た。より高い刺激を好む習性を巧みに使い分ければ、網の目を掻い潜るように逃れることはでき、犯罪者にならずに済む? という悪意の一部となるのだ。
それが金儲けという欲だからこそ、信用が措けなくなり、衰退の途を辿るしかないのだ。それは、登ったから降るしかないことと同一であり、世の常と云える。
うさぎは折をうかがったわけでもなく
「人間が必要とするものは安心感で、愚直に結果を求めていることは、哲学から科学に移行したことで解ります」と、囁いた。独り言とは想えない囁きを聴き付けた、楓花はそれを聴き逃さなかった。
「なにを考えているのか、教えて! 多分だけど
うさぎは、楓花の成長を感じたのだろう? 無意識にうなづいてから
「例えば? でしか云えませんが、地球温暖化が沸騰化に移行した理由は、酸素が原因で、脳ある科学者は、それに気付いているはずです」
「だから、過程の話にするの?
「学校教育で培った概念では、変えることなど出来ませんよ」
「ならば、学校教育の概念を持たない
うさぎは不適な笑みを携えて
「人口の増加を悪意にしないために、科学者が口をつぐんだものは、限りある資源の中に、酸素も含まれるからで、需要と供給の
「それって、急激に推移している状況の把握ができないからで、誰が悪いって云えないからかも知れないね? でもそれを見えないことにする人間の性根の問題よね。言い出せるはずの科学者の口が重くなったのは、云ったことを悪にする風潮が原因なんじゃない」
「だからかも知れませんが、脱炭素を合言葉にしたのでしょう? 炭素の多くが、酸素を一人占めにしている現状を打開するためとも想われます」
「それって、一酸化炭素や二酸化炭素のことを指しているんだよね?」
「量で計れば倍を差しますから、二酸化炭素でしょうね? 植樹で賄うこともできないほどの差が出ているんでしょうね」
「世界中が、日本のような身体測定をすれば、ある程度の正確な数字が出そうなもんだけど、それじゃあ埒が明かないんだろうね」
「生命体が存在しなかった古も、恐竜時代から先は使い詰めです。恐竜が巨大化した原因が、高濃度酸素と云われていますから、必要な植物で埋め尽くされれば、人間の住む場所はないはずです」
「それを教えるために、山の獣たちが人里に進出してるのかもね?」
「そう導きましたか?」
「違うの?」
「世界中の山で、山火事が発生していますから、熱波が原因の山火事が発生して、住み
「山火事って、簡単に起こせるものなの?」
「人間が火を興したのが摩擦熱ですから、木々と風があれば、簡単なんでしょうね」
「でも、日本の夏は湿度が高く、火の天敵の水が豊富よね?」
「その水が帰化して起こす蜃気楼が、虫眼鏡の役割を果たしたら、瞬く間に発火します。生木は火が着きにくいですが、着いたものは手に負えなくなり消化が進まないことは、メディアが報道していますから、誰もが見て知っているはずです」
「そういう説明をしてくれればね?」
「獣が人里に降りることをそこまで先読みするメディアはありません。誰かが用意した問題にしか答えを見出だせないから、その先に進まないのも、その道理から推測できますしね」
「だから、愚直なの?」
「判断を委ねることが、教育の指標だから、後手後手に回りますし、盥回しにすることで、責任転嫁するから、不祥事がなくならないのです」
「それも、軍国主義の名残なの?」
「外国の仕組みを真似する段階で、利益という欲が働いたことが、歪みの原因と気付けない理由です。眼に見えない歪みは、歪んで終わりではなく、破裂まで進行します」
「それを教えるために、答えの先を指摘したんでしょう。悪意にまみれた出版関係者に爪弾きにされても云い続けているもんね。それは気がつかないのも悪いけれど、方法も考え直す必要があるんじゃない?」
「別に、解らない人に解ってもらわなくても、浄化で済まず回帰されるだけですから、あてえ変えないだけです。記憶だけでなく、存在もなくなるのですから、身から出た錆でしかありません」
「救われないではなく、掬わないのか?」
「
うさぎはそれを初めて口にしたが、楓花はその恐ろしさこそが、悪意を恨み過ぎて、心を歪ませていると悟っていた。ただ、その歪みが示す値が、復讐や壊滅に繋がらなければ、自らの持つバイオリズムが吸収して、傷に至らない? という自負を感じたから、口にすることはないはずだった。
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