EP11.友達Bにドン引かれる二人
【
「……って、
「………」
「……マジですか」
「あたしは聴いた通りに話したわ」
「えぇ……」
え、それがホントならやばくない?
いや……うん、毎度思うのだけど。
どうしてこの二人……
私の名前は
二ヶ月前に高校生になった、ピッチピチの15歳。彼氏持ちのリア充よ(どやがお)。
……まあ、別に私の事はどうでもいいのよ。
自己紹介から早々に
ここは学校からの最寄り駅近くにある、お洒落で値段もリーズナブルな
私は
「………」
今回、この三人で集まった主な理由であり、そしていつまで経っても進展しない
表情は全く変わってないけれど、視線は明後日の方を向いており、少し覗き込んでも更に逸らすばかり。
今日はテスト明けの土曜日なんだけど、そんな日に喫茶店で何をしているのか。
オブラートに包むとすれば、それは女子会。
オブラートを燃やすとすれば……事情聴取。
『はいはい。話は
的なアレ。いや、
これは長年……えっと、流理が初めて相談してきたのは中二の時だから、二年くらいか。
その間、全く恋の進展がなかった流理の為、高校生になるなり設けた
メンバーとしては──
当然だけど、当人の
流理と友人として、
そして、スペシャルゲスト──
その布陣で、開かれている。
「──話の要点をまとめるわね」
「えっ」
話を戻すわ。
黒神から
似亜さんが話し始めてからずっと目を逸らしていた流理は、不味い空気を感じたのか、素っ頓狂な声を上げる。
表情は
けど。
「お願いします」
「むぐっ」
そんな女に容赦する私達ではない。
隣に座っている私が、何か言わんとしている流理の口を手のひらで
──え、柔らか。
──ほっぺたもふにふにだし。しっとりしていてさらっさら……
──え、なにこれ。
──元から整いすぎてる顔と、実に女の子らしい華奢な体をしてるのに、この感触なの?
──人外レベルすぎない!?
とか
似亜さんは持ち歩いていたトートバッグからノートを取り出して、ビッシリと書かれた文章の途中にペン先を置く。
彼女はマメな性格で、この集まりの事を毎度メモしているのよね。ありがたい事だわ。
「まず復習として、るりりんは家族がいるとはいえ歳頃の男を毎日家に連れ込んでるわ」
そして、ペン先で文章をつつきながら、先週までの女子会の振り返りを始める。
出来る女って感じでとっても格好良い。
ただ、振り返りの度ではあるけど、やっぱり気になることが一つ。
「毎回言ってますけど、普通とは掛け離れすぎてますね!」
うん!まずおかしいわよね!
ちょっと似亜さんの言い方はアレだけど、つまり毎日未取を
私とアイツは恋人同士だけど……流石に毎日互いの家って、ちょっと
自分のプライベートな空間に、恋人とはいえ他人が毎日いたら
まあ、一週間に一、二回はお互いの家にお邪魔するし、そこそこ慣れてはいるけれど……
ただ、私たちの場合は長い付き合いなのと、恋人だからっていうのが大きい。
だから、
「えらく長いこと考え込むわね、
「『たん』付けはやめてください!」
「……むぐ」
ちなみに、
……そもそも、アレはフィクションだし。
確か、家に毎日通うようになったのは、中三になってからとは聴いてる。
最初は受験勉強を一緒にするから、とかだったかしら。
最初から
続いてるのもちょっとおかしいけれど。
あれ?ということは。
それ以前は毎日家に通ってないわけだから、節度ある交流をしてた。……のかしら?
確か、以前もかなり近かったような。あれ?
……つまり、お互いのプライベートにそこまで慣れているとは言えない、はず。
ちょっと頭痛くなってきた。
「普通とは掛け離れてるわね!」
「なんでもう一回言ったの?」
だって、長くなっちゃったし。
17文とか……まとめるの下手か、私は。
話を戻そう。
「続き、お願いします」
「え、ええ」
目を閉じて促すと、困惑しながらも頷く似亜さん。はい、すみません。
「……むぐむぐ」
「手のひら
口を抑えてる側から言うのもあれだけど。
「
すごく視線を感じる。
「……ええとね。まだ二つ目なんだけど、あたしとして気になったことがあるのよね」
「なんですか?」
「
未だに視線を感じながら、私は尋ねた。
「零くんが『付き合っているのか?』って二人に質問してきたみたいなんだけどね」
〈・零<「交際?」─
黒神の超鈍感だったポイントね。
『付き合っているのか?』を『よく分からない質問』て。
「確かに二人の距離はとても近いけど、でも零くんが『付き合っているのか?』ってストレートに訊くのって、ちょっと違和感なのよね」
「あー……確かに」
「失礼な事は基本言わないでしょ、彼」
零くんとは、中一の時に一回だけ話したことがある。その時の零くんは小四。
小四ながらかなり大人びた子で、''礼儀''を理解しているのか言葉選びをする印象があった。
──え、小四で言葉選び?ホントに小学生?
ま、まあ。確かに違和感が凄いわね。
「零くんの前で何かしたの?」
似亜さんが流理に尋ねると共に、私もずっと塞いでいた手のひらを解放してあげる。
何度かもごもごしてたからか、手のひらに少し涎が付着していた。
即座にバッグからウェットティッシュを出して、涎を拭き取った。美少女でも、
そんな流理の反応はというと……
「………。……言えない」
「「なにがあった??」」
似亜さんと見事にハモった。
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