猫12匹 猫娘達と神様に感謝
まえがき
猫3匹、猫9匹でブラジャーをしているような表現を加筆しました。
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精神的に疲れ目を瞑り完全に脱力し浴槽の丁度良い温度のお湯に身体を預けて、ゆったり浸かっていた。
「ルドアお姉ちゃんお風呂って気持ち良いねー!」
うっすらと目を開けそう言ったアニーを見ると、ちょうど目の前にいて、背中を預け凭れかかってきた。
自然とアニーのお腹に腕を回す。
アニーが肩に頭を乗っけて頬をくっ付けてくる。
「そうだね。このアイテムを譲渡してくださったヴィトラジャート様に毎日感謝の念を送ろうね。ヴィトラジャート様ありがとうございます。」
「わかった!ヴィトラジャート様ありがとうございます!」
「「ヴィトラジャート様ありがとうございます。」」
イルはそっと右側から凭れ、マルルちゃんは左側から俺へ凭れかかってきた。
「あと転生させてくれたイルドアニーマ様にも送ろうね。」
「わかった!」「はい。」「うん。」
「「「「イルドアニーマ様ありがとうございます(!)。」」」」
回していた両手で自分に凭れるアニーの両手を挟み、一緒に手を合わせて祈った。
イルもマルルちゃんも真似て、手を合わせて祈ってくれた。
いくつかのネット小説に神様は信仰されると力が増すと書いてあったから、実際どうだかわからないけど、少しでも力になれたらいいなと思い、三人に旅の神ヴィトラジャート様と獣人の神イルドアニーマ様を布教した。
ゆったりと浸かった後、浴槽を出て猫人族の私達は尻尾にトリートメントを揉み塗り付け、「身体、綺麗!」と喜びはしゃぐ三人に癒され和む。
「ルドアなしじゃ生けていけない身体になった。」
「それっ!誤解を招くからっ!外では絶対言ってはいけませんっ!あとシャンプーとトリートメントとボディソープでしょ!」
「その所持者がルドアだから同じこと。」
「それでもそういう言い方は駄目!」
少し落ち着いたマルルちゃんの言葉に突っ込みを入れたり。
「わ、私達はお姉ちゃんなしじゃ生きていけない。」
「ルドアお姉ちゃんとずっといっしょー!」
顔を赤くして言ったイルにはマルルちゃんと同じく「外では絶対言ってはいけません。」と注意し、嬉しいことを言ったアニーに「ずっと一緒だよー。」と返し、二人のトリートメントでぬるぬるすべすべした頭を撫でた。
そんなこんなで約五分後、髪と一緒に尻尾のトリートメントを洗い流して、お風呂場を出て自分の身体を軽く拭きバスタオルを巻いてから、一枚バスタオルを取ってアニーを拭いてあげた。
猫娘を拭いてる!
夢のようだ!
頭を拭き猫耳がピクピク、猫尻尾を拭くとお尻をくねくね、「きゃっきゃ!」と楽し気に拭かれ猫尻尾もくねくねする笑顔のアニー。
かわええなぁ……
めっちゃ幸福感がどばどば溢れて、もう言葉にできないほど幸せを感じた。
幸せに浸りながらアニーを拭いているとなぜか順番を待っているかのようにアニーの後ろに立つマルルちゃんとイルにじぃーっととちらちらと見られ、彼女達も拭いた。
イルも最高に可愛かった。
猫耳をぺたんと倒している姿とその後の猫耳が良かった。
こう、気になってしまって猫耳に触れたら、普段ひんやりしている猫耳(この世界ではどうだかわからないけど)が熱くなっていた。
「大丈夫?」と聞くと「だ、大丈夫!」と言って猫耳に向かって手を扇ぎ猫耳も扇ぐようにぱたぱたと動いた。
控え目に言って可愛かった。
マルルちゃんも可愛かったけど、濃緑色から鮮やかな緑色、エメラルドグリーン?色になった髪色と白い肌に綺麗の方が勝った。
「綺麗だな。」と自然と出た言葉を聞いて、エルフ耳まで赤く染めたマルルちゃんが俯きながらぽかぽか叩いてきた行動に可愛いの方へ天秤が傾いた。
三人とも拭き終わって、いいなぁと思っていた友達夫婦とその子供のやりとりを自分がやっていることにまた幸せを感じた。
そこに大大大好きな猫耳と猫尻尾が生えているのだから、幸せを感じないなんてことはあり得ないわな。
「マルルちゃんの髪、綺麗だね!」
「綺麗です。」
「……」ぽかぽか
イルとアニーが言ったのになぜか俺が全裸のマルルちゃんにぽかぽかと叩かれる。
「マルルちゃん叩くのはいいけど先に服着よ!イルもアニーも!」
ぽか、ぽか、ぽか、ぽ
「……わかった。」
「着替え持ってきてない!取って来る!」
「取って来ます。」
アニーがたたたっと全裸で走って脱衣場を出ていく。
アニーを追いかけるようにイルも走って出ていく。
「こらっ!裸で走っちゃダメっ!」
マルルちゃんが全裸で歩いて出ていこうとする。
プリティなお尻が丸見えだぞマルルちゃん……
成人がそれでいいのか……
「マルルちゃん。」
「走ってない。」
「……歩いて行けばいいわけじゃないんだよ。」
「?」
「バスタオルを巻いて。」
「わかった。」
マルルちゃんが振り返り戻ってくると同時にイルとアニーも戻ってきた。
しかし二人は何も持っていなかった。
疑問に思ったが、先に注意をする。
「お風呂場と脱衣場以外では裸で走ったり歩いちゃダメ!わかった?」
「ごめんなさい。」
「わかった!」
「ルール守る。」
謝るイルと元気よく手を上げて返事をしたアニー、全裸で頷き言ったマルルちゃん。
マルルちゃん……恥じらいを、恥じらいを持ってくれ。
「イル、アニー、着替えは?」
「メリトラが用意してあるって!」
「籠に入っているみたい。」
『るどあ』『いる』『あにー』『まるるちゃん』と書いてあるプレートが付いている籠があったのはタオルを取りに来たときに気がついていた。
中を見ていなかったが、着替えが用意されていたとはな。
ありがとう、メリトラ。
『いる』『あにー』『まるるちゃん』の籠には下着(あにーだけブラジャー無し)と色違いのフード付きふわもこワンピースパジャマ(たぶんパジャマ)が入っていた。
イルは淡い水色、アニーは淡い桃色、マルルちゃんは淡い緑色。
ふわふわもこもこに合わせてかフードは羊さん。
「つるつるー」
「肌触りが良い。」
「高級な物じゃ……」
アニーとマルルちゃんは両手でパンツの感触を味わっていて、イルは恐る恐るパンツを触っている。
「風邪ひいちゃうから、ささっとパンツを履いてパジャマ着ようねー。」
「はーい。」
「わかった。」
「……」
イルがパンツを履くのを躊躇している。
「イル、高級な物じゃないから気にしないで履きな。」
「本当?」
「たぶんね。」
「ええぇ……」
「汚しても洗えばいいだけだから。それにメリトラが用意したものだから替えがいっぱいあると思うよ。気にしないで履きな。」
「ううう、わかった。」
「ルドア、これ。」
「マルルちゃん、それなに?わたしの籠に入ってなかったよ。」
声をかけられマルルちゃんの方を見るとマルルちゃんがブラジャーを持ち広げていて、それをアニーが見上げていた。
「それは、ブラジャー。」
「ぶらじゃー…… ルドアが胸につけていたやつ?」
「ぶらじゃー? わたしの籠に入ってなかった。」
「そう。胸を支える?整えるやつ。 アニーにはまだ必要ないから用意してないんだと思う。」
「コルセット?キツいの嫌。」「わたしも着けたいー!」
「こるせっと?はわからないけど、そんなキツくなかったよ。 アニー、メリトラに言おう。」
「そう?どう着ける?」「言ってくる!」
アニーはちゃんとバスタオルを巻いて脱衣場を出ていった。
「どう着けるんだろうね?」と言いたい。
ブラジャーを着けるなんて初めてだから……
さっき入る前に外した時は自然と後ろのホックを外して肩紐を通して脱いでいた。
逆をやればいいのか?
マルルちゃんとイルにホックがあることを教え、肩紐に腕を通させ、肩紐が捻れてないか確認させ、背中でホックを止めさせる。
その間に『るどあ』の籠に用意されていたパンツを履く。
シンプルで無地の白色で猫尻尾があるからかウエストのゴムが尻尾の根元より低い位置にあるパンツである。
「む……」「ちゃんと止まってる?」
「ずれてるね。直すよ。」
「ありがとう。」
「ルドア、止めて。」
イルのホックを止め直す。
マルルちゃんがホックを止めることを諦めて、俺に背中を向けてお願いしてきたから、三段ホックの位置で緩いかキツいか聞きながらホックを止めてあげた。
「メリトラにぶらじゃー付けてもらったー。」
アニーがメリトラを連れて戻ってきた。
メリトラがイルとマルルちゃんを見て、ブラジャーの着け方を俺を見本にして教えてくれた。
ありがたかったけど、触れられるのは、恥ずかしかった。
メリトラはイルに「替えがありますから、遠慮せずに着てください」と言っていた。
みんなお揃いのふわもこ羊パジャマ(俺のは黒色)を着て、「ふわふわ~」とアニーが言って正面から抱きついて、マルルちゃんが背中に乗って抱きつき、イルが横からくっ付いてきた。
なんだ、この幸せのスキンシップは……
幸せ過ぎて昇天しそうになった。
数十秒かけて幸せを紙染め正気を取り戻し、茶の間に移動する。
メリトラが夕飯を運んでくる。
イルとアニーが手伝っている。
ええ娘やなぁ……
俺も手伝おうとしたんだが、メリトラにマスターは座って待っててくださいって言われたから、マルルちゃんと座って待っている。
中央に鍋敷きの上にクリームシチューらしきものが入った鍋とロールパンがてんこ盛りの器、各席の前に豚肉らしきソテーとキャベツ人参ハムコーンらしきもののマヨネーズコールスロー、パン二個と水のコップが置かれた。
「献立は特別に地球の日本産の物を使わせていただきました。」
「え?日本産って?え?なんであるの?」
「「「ちきゅうのにほんさん?」」」
「後で説明するけど、違う世界の地域。」
「ヴィトラジャート様が地球を旅した時に収納していた物で、マスターに譲渡された物です。」
「マジかっ!日本の物を食べれるなんて嬉しい。ヴィトラジャート様ありがとうございます。」
大感謝の念を送るしかないな!
「日本産の物を使ったクリームシチューと豚肉のソテー、コールスローとロールパンでございます。」
メリトラがシチューを器によそい、皆の前に置き、俺を見る。
「じゃあ、食べようか。いただきます。」
「「「いただきます?」」」
「食前の挨拶なんだけど、こっちではない?」
「精霊に感謝を言う。」
「神様にありがとうございますと言ってから食べます。」
「なるほど。今まで通りでいいよ。」
イルとアニーは「イルドアニーマ様とヴィトラジャート様にありがとうございます。」と、マルルちゃんはもごもごなにか言った後、真似て「「「いただきます。」」」と言って食べ始めた。
「「美味しい!」」「美味しい。」
「うん、美味しいね。」
「お口に合って良かったです。」
イル、アニー、マルルちゃんはどれも一口食べた後「美味しい」と言い、美味しそうに笑顔(マルルちゃんは雰囲気笑顔)で食べていた。
パンの時は持って「柔らかい!」食べて「柔らかい!美味しい!」と興奮しながら食べていた。
くすっと笑ってしまった。
笑ったことは食事に夢中で気づかれなかった。
三人はクリームシチューもパンも三度もおかわりして、膨らませたお腹を擦り満足げな表情を浮かべている。
食後の挨拶も真似て皆でご馳走さまと言って、片付け。
また俺は手伝わせてもらえなかった……
ヒョウカは俺達がお風呂に入っている間に用意してもらい食べていたようだ。
□□□□□おまけ□□□□□
「っ!?」
「ん?どうしたの?」
「す、凄い感謝の念が送られてきました!」
「そこまで驚くほど?」
「は、っ!!また送らっ!?力が溢れてきます!」
「また?」
「!?またまた送られてきましたっ!」
「まあ!見てわかるようになったわ。凄いわね。」
次々と、次々と感謝の念が彼女に送られてくる。
「にゃうん!またあ!きましゅたあ!そ、そんにゃ、いっぺんにぃ、しゅ、しゅごしゅぎい……」
ばたん……
「……イルマがこんなになるなんて。下界で何が起こっているのかしら?」
こことは別の神界でも似たようなことがあったとかなかったとか━━
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