小説レビュー『成瀬は天下を取りにいく』

 今話題の『成瀬は天下を取りにいく』を読みました。面白かった!! さすが本屋大賞受賞作と言わざるを得ない。納得のクオリティです。

 本作は滋賀に住む中学生(途中から高校生)、成瀬にまつわる短編集。この主人公「成瀬」が本当にいい! 突拍子もないこと、何の利益にもならなそうなことを急に始める。周囲はそれに困惑するけど、成瀬はそんなことお構いなし。周りがどう思おうと、やると決めたことに真剣に取り組み、持ち前の賢さや継続力で一定以上の成果? を残してまた次のことに向かって行く。

 彼女は幼い頃から成績優秀で、他の人より「持っている」人間なのだろうと思う。けど、他の人が持っている何かを「持っていない」人間でもあるのだと思う。バカと天才は紙一重なんて言うけれど、彼女はバカであり天才、という印象。そんな彼女が次は何をするのだろう。どんなことをしてくれるのだろう。といつの間にか気になって、期待を抱かずにはいられない。そして読み進めていき、気づくと読み終えている。そんな作品でした。ぜひぜひ読んで頂きたい。

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日記のような、そうでないような 山奥一登 @yamaoku

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