3話 美人幼馴染2人組

「はあ、いきなり囲まれるのは聞いてねえって.....せっかくゆっくり校舎案内しちゃろうと思ってたのにな」



「ははは、相変わらず魁斗は女子に人気だな。俺とはちがってイケメンなだけはある」



「お前それ、本気で言ってんのか?無自覚にしてもタチ悪いな」



「え、俺いま怒られてるん?なんで?それに無自覚とかタチ悪いとか、どういうこった」



「はぁー。そうだわ、お前はそういう奴だったよな。気にした俺が馬鹿だったわ」



まあそんなこんなあって、教室に着いた。俺の席は窓際から2番目の1番後ろで、魁斗は俺の前の席だった。これは嬉しい。


「やばやば!高宮君と二宮君2人と同じクラスとか、私明日死ぬんかな....♡」



「あの2人と一緒とか!もう一生の運使い果たしたかも♡」



「あの2人揃うとほんとオーラがやばい!」



「「「キャーーーー!!!!」」」



「......一颯、これ毎日続くって思うと気が滅入るわ」



「もう諦めろ。これはお前の宿命みたいなもんだからな」



「だーかーら!お前もだっつーの!はぁ、これからどうすっか」



そんな会話をしていたが、まだ俺の両隣2人がまだ来ていない。仮にも隣の席なんだし、仲良くはしたいが、、、


ガラガラッ


扉が開かれる。隣の席の人達かな?と扉の方を見た瞬間、俺の心臓がドクンッと大きく鳴る。その2人組を見た瞬間、小さい頃の記憶が蘇る。そして目が合う。数十秒間は見つめあっていただろうか。そして俺は、確認するように2人に問いかける。



「......もしかして、優華と杏奈か?」



「ッ!!!!」



2人は大きく目を見開く。そして次の瞬間、俺に抱きついていた。



「一颯ぃ!!会いたかった、ずっとずっと会いたかったよぉ.....ひっぐ」



「いっくんだ!いっくんいっくん、ずっと待ってた...寂しかったよいっくん...ひっぐ」



「久しぶりだな2人共!俺もまた会えて嬉しいよ、待っててくれてありがとな」



「「ふ、ふぇぇぇーーん」」



どうやら感動の再会というやつみたいで、2人は泣きながら俺の胸に顔をぐりぐり押し付けてくる。こいつらはほんと、変わってねぇなあ。



天上院優華。金色の長い髪の毛を靡かせ、整った顔立ち。中等部から聖華学園らしく、めちゃくちゃモテるらしい。



一ノ瀬杏奈。肩くらいまで伸ばした銀色の髪の毛にこちらも整った顔立ち。こちらも中等部から聖華学園で、めちゃくちゃモテるらしい。



なにやら2人のファンクラブなるものまであるらしく、その人気は凄まじいらしい。そんな2人が俺に抱きついて、泣いているのだから、注目を集めてしまうのは仕方がなかった。



「ちょっとちょっと、高宮君とあの二人ってどういう関係なの!?」



「まさかの三角関係とか!?」



「てかあそこだけオーラ別格なんだけど...」




何とか2人を落ち着かせ、泣き止ませる。そういえば、俺がスペイン行く時も2人をこうやってなだめた気がする。



「落ち着いたか?急に号泣してくるもんだからびっくりしたわ」



「う、うん大丈夫...ごめんね一颯、困らせちゃって」



「いっくんごめんね...久しぶりに会えたから爆発しちゃって」



「いいよいいよ、なんせ5年ぶりだからな。てか、もしかしなくても、俺の両隣の席って、優華と杏奈だよな?これからよろしくな!」



「うん!こちらこそよろしく!一颯が隣......嬉しすぎるよぉ、これから沢山お話できるね!」



「いっくんと隣とか最高...♡杏奈ばっかりじゃなくて、私ともお話してよね!」



2人の小さい頃の面影は確かにあるが、どちらも大人っぽくなってるし、なにより....



「一颯、今変なこと考えたでしょ?エッチ!」



「そうなの?いっくん変態なんだね、まあいっくんならいいけど♡」



「べべべ、別に考えてねえよ....」



なんで俺の考えてることわかったんだ?怖すぎるだろ。



「おい一颯、まさか俺の事忘れてねえよな?てかこの2人が一颯がよく話してた幼馴染ちゃん達か?」



「そーそー、ちょうど良かった!優華、杏奈、こいつ俺と同じ世代別日本代表のチームメイトの二宮魁斗。良い奴だから仲良くな!」



「そうなんだ!二宮君よろしくね!」



「よろしくです、二宮君」



「よろしくね!2人さえ良ければ、一颯の小さい頃の話とか聞きたいなー」



「いいわ、今度取っておきのアルバム持ってくるわね!あの時の一颯ときたら....えへへ」



「じゃあ私はいっくんの秘蔵ビデオ持ってくるね!あの時のいっくん.....えへへ」



なんかものすごく恥ずかしいからやめて欲しいんだが。とにかく、騒がしい日になりそうだ。


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