2話 入学式と再開

次の日。俺は珍しく早くに目が覚めた。今日はいよいよ入学式。意外とワクワクしていたのかもしれない。


「っと、こんな感じか?」


慣れない手つきで髪をセットする。妹から、学校の日は必ずセットしてから行くように言われているので、結構がんばった。それでも不安なので妹に見てもらうことにする。


「陽菜乃ー、起きてるかー?」


コンコンと妹の部屋をノックする。すると、もう準備が終わっている妹が部屋からでてきた。


「はいお兄様、おはようござい......」


あれ、どうしたんだろうか、妹が俺の事を見るなり固まってしまった。やはり髪のセットがダメだったのだろうか。そんなことを考えて妹と目を合わせると、顔を真っ赤にしてなにかつぶやいている。


「はぅぅ..カッコよすぎる...これではお兄様の顔が見れないわ...あぅぅ...」


「どうしたんだ?そんな顔を真っ赤にして」


「な、なんでもありません!とにかく、早く朝食を食べて行きましょう..」


陽菜乃は口調を強めてそう言った。何か怒らせてしまったのだろうか。学校の帰りにアイスでも奢ってやるか。


「はー、なんか楽しみだなー!友達欲しいし、アイツらとも会いてえしな!」


「大丈夫ですよ、お兄様でしたらすぐ出来ますから!それよりも、変な雌豚共が湧きそうで心配です...ゴニョゴニョ.....」


ん?なんか物騒な言葉が妹の口から聞こえたような気がしたが気のせいだろうか。


俺たちがこれから通うことになる聖華学園。中高一貫校で、学力、部活動共に力を入れており、学力は国内でもトップクラス、部活動に関してはどの部活も全国大会常連と、非常にハイスペックな生徒が集まる学園として有名である。


俺と陽菜乃が住むことになったマンションから徒歩10分ということで、現在2人で歩いて向かっているのだが、、、


「ねえ、あの人カッコよすぎない?マジやばくない!?」


「キャー!どっかのモデルさんかな?やばい目の保養すぎる!!」


「隣の子も可愛いんだけど!カップルかな?」


なんかめっちゃジロジロ見られているような...

しかもこっち見てなんかコソコソ話してるし、俺なんか変なのか?


「なあ妹よ、なんでこんなに見られてるんだ?俺なんかしちゃったのか!?」


「えへへ....お兄様と私がカップル....そう見えるんですか、えへへ.....」


ダメだ、トリップしちゃってるわ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そんなこんなあって何とか学園には着いたは良いのだが.....


「ねえ、あの人もしかして、あの高宮一颯君じゃない?」


「え、どこどこ本物!?キャー!!!」


「高宮君と同じ学校とかやば...最高すぎてマジやばたにえんなんですけど!!!」


「「「キャー!!!!」」」


え、なんかものすごいことになってしまったのだが....クラス分けの表見たいのに囲まれて全然通れん。てかやばたにえんてww


「っと、やっと見れそうだ。ええー俺のクラスはっと.......」


どうやら俺はA組らしい。クラスで浮かないように、まずは友達作りからかな。よし、そうと決まれば頑張ろう!


「おお、一颯!?お前の進学先って聖華学園だったのか!?」


「え、魁斗!なんでこんなところに!?」


「それはこっちのセリフだ!そっかそっか。てか俺もA組だぜ!これからよろしくな!」


「まじか!知ってるやつ居て良かった〜!よろしこ!」


まさかまさか、魁斗と同じ学園、同じクラスだとは。こりゃびっくりだ。


二宮魁斗。サラサラの茶髪にクールな顔立ちなイケメン。俺と同じくサッカー世代別日本代表の仲間でもあり、頼れるやつだ。取っ付きやすい性格でもあるので、女子にモテる。


「一颯、早速A組の教室一緒に行かねえか?お前、まだ来たばっかで分かんねーだろ?案内しちゃるから!」


「それはまじ助かる!陽菜乃、今日の帰りどうする?一緒に帰るか?」


「はい、帰りになったら連絡しますね。それではお兄様、また後で!」


「おう、後でな!じゃ、魁斗頼んだ!」


そんな会話をして俺たちは中等部と高等部の校舎に別れた。この後一颯と魁斗は女子に囲まれて学園案内所ではなくなるのだが、それはまた別のお話。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「久しぶりだね一颯、早く会いたいな......」

「ほんとだね、いっくん、もうすぐだね♡」







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