第18話 8人かあ。はちにんこ

Vitamine Angleの自主制作部員

原作:彩原六花(INTELLI ANGLE)

作画:白藤咲夜(INTELLI ANGLE)

現在は二人共、Vitamine Angleの一員として活動しているが

元々は作話の腕前と、作画の技術を買われて

INTELLI ANGLEに加入した彩原と白藤。

アイドルマスター目指しての受験だったから

ルックスが良いのは最低条件だが

どちらかと言えば彩原の方が白藤よりも顔面偏差値は高い。


白藤は剣客浪漫漫画の『鬼ヶ島百年戦争』が校了したばかり。

23冊分の努力は、多くの読者を唸らせる傑作を世に誕生させた。

『なんてったってアイドル』と言う原作が白藤の下に

既に届けられている。差し出したのは、他でもない彩原六花だ。

香水少女の香々美今日子をモデルにした逸話で

彩原が命名した主人公の名前は鏡山明日香と言う。

【KYOU×2】【MIRA×2】【ASU ×2】

ファンの数だけ、呼び方があっていいらしい。

今日、未来、明日……そんな響きにも通じる主人公のフルネーム。


それは、明らかなる失恋だった。

「ただ、泣きたくなるの……」


「ちょっとお、彩原センセ。これ、ミポリンなんですけどお」

「ええ、そうなん! KYON×2と違うの」

「これだからミレニアム・チャイルドは困るなあ」

「白藤ちゃんも同い年の2000年生まれじゃん。

じゃあ、KYON×2のノリで行くと?」

「あなたに逢えて良かったね 辺りじゃないですか?」

「ほうほうほう。ポジティブでいいじゃん!」

「まだペン入れしないんで、もう一回ググって

ちゃんとした原稿にして、渡して下さい」

「おお、白藤ちゃん、ご足労かけたね。失敬失敬」

美少女らしからぬ、軽いテンションが、彩原の人徳になり得る。

『なんてったってアイドル』の入稿がこうして封切りされた。

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