第19話 9%と91%の隔たり
閲覧数は8人かあ。はちにんこ。
「うん? 今、なんて?」
「だから、閲覧数が8人だったから、韻を踏んだだけだよ。
ほら、こんにちはの反対を、はちにんこって言うでしょ?」
「閲覧数が昨日の1割だったら約9%
91%の読み専さんは、素通りしていった訳だ」
「9%と91%の隔たり、かあ」
「これからは電子媒体が強いと言っても、
紙を愛する人種は未だ未だ根強く存在するんだよなあ」
「配信と出版を同時にすると言うのは?」
「そう言う試みも、既になされているよ。
どちらに比重を置くのが正解かは、明確な答えは出てないけどね」
「……で、問題の白藤咲夜先生の新連載は?」
「先ず先ずの出だしだよ。原作者は彩原六花先生なのだから」
「現役アイドル二人に先生を付するのは変な感じですが
実力がものを言う世界ですからねえ」
「アイドル同士(=彩原六花、白藤咲夜)が、
アイドルを主人公にした物語を築こうとしているから
話題性抜群だよなあ!」
「モデルとなったアイドルも現役アイドルの香々美今日子なんでしょ?
香水少女も、今、勢いあるし」
「売れるべくして売れる条件を、
アイドルの手垢まみれの原稿に注入して行くこれからの制作現場」
「突撃する他、術は無いでしょう。既にアトリエは取材陣で
ごった返しているでしょうか?」
「その確率は充分あり得るね。この後、出掛けるんだろ?」
「ええ、工程で言うと、作画の方が実りがありそうです」
「原作を受けての作画だからってこと?」
「ご名答。既に出来上がったものを叩き台に漫画を描いてますから」
「敢えて、彩原を直撃するのも面白いと思うけど?」
「手薄な取材を予想しているんですね。じゃあ、そちらにしましょう」
「賭けだな、正攻法で行くか、裏をかくか?」
「結局、両者にインタビューは行いますけどね」
準備する取材CREW。オフィスアダチの受付に着信。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます