第46話 休暇3

「みなさん!いまからこの温泉を掃除するので出て行ってくださーい!」


突然女の子の声が男湯に響く。


ぞろぞろと出て行く男達。


ああ、掃除か。ならしょうがないな。でるか。


と、男達と一緒に温泉を出ようとすると、


「なんでアルヤさんまで出るんですか!」


と腕を捕まれた。


え、、、なんでこの子いるのん?


ここ、男湯だよね?


そこにはバスタオル一枚だけ巻いたアイノが居たのである。


「だって掃除するみたいだし、、」


「それは私が言った嘘ですよ!」


そうなんですね、、普通に信じてました。




「これで一緒に温泉は入れますね!」


笑顔で俺に抱きついてくる。


、、、アイノさんいろいろ当たってます。


というかそのためだけに支配の加護使ったん?え?


そりゃ、減るもんじゃないけどね


「いやでも外から入ってくるかもしれないしさ!」


「清掃中の看板立てときました!もし入ってきても記憶を消してたたき出します!」


用意周到だね、びっくりしちゃう。




「二人きりになるのは久しぶりですね~」


「確かにそうだな。」


俺は諦めてアイノと一緒に温泉に入ることにした。


へにゃーと隣でアイノはお湯に浸かってくっついている。


アイノと二人きりになるのはあった時以来だな。


アセロラの街じゃトラブル続きで全然ゆっくりできなかったし


「私もアルヤさんのこと好きなのに、なかなか二人きりになれなかったので強引に機会を作っちゃいました!」


「あ、ありがとう、、」


こんな素直に好きといわれるのは初めてな気がする。


「私は一緒に居られるだけでいいんです。アルヤさんの答えは気にしません!」


たまにこうやって二人で居てくれたら満足ですと悪魔的な笑みを浮かべている。


「でも、二人だけアルヤさんとしたのはずるいですね、、」


おっと、アイノちゃんの目が肉食獣の目に変わっちゃったぞ?


あーだめそうなので、流れに身を任せることにします。




その後なかなか温泉から出てこないことを不審に思ったレイとミズキが俺の事を探しにくると、何も着けてない俺とアイノがくっついているのをみて怒りの鉄槌が下されました。




「なんでいつもこうなのかな~」


「ほんとですよ、全くです。」


俺とアイノは正座しながらお説教を受けている。


前にも同じようなことがあったよなぁ、今日はアイノも隣で正座してるけど


と俺はひとり関係ないことを考えていた。


「一番最初はミズキだったんだけど、、?」


「だってレイちゃんだけずるかったですし」


俺を怒っているはずが違うところで喧嘩が勃発しそうであった。


二人ともほんとに仲良いですね、、




そんなこんなで俺たちの楽しい休暇は幕を閉じたのだった。

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