第20話 襲撃

「あら、お二人一緒だったんですね」


「ダンジョン内でたまたま会いまして」


あのあと、俺とミズキは一緒にギルドまで行くことになった。


幸い、ミズキは気を失っていたためかレイが精霊であるということには気づいていなかった。


「では戦利品の提出お願いします。」


俺は戦利品のメラリザードの鱗をサキさんに手渡した。


そして報奨金として金貨2枚を貰うことができた。


「これで晴れてお二人はDランク冒険者になります。今までは掲示板からクエストを受注していたと思いますが、Dランクからはギルド職員から直接受注することになります。」


なるほど、だから掲示板には簡単なクエストしかなかったのか、、


謎が一つ解けた。




「今回のクエストは、半分はミズキのおかげだから報酬の半分ミズキにあげるよ」


「ありがとう!でも、、、」


「ん?どうした」


「うんん!なんでもない!」


ミズキは明るく振る舞って否定した。


まあ何か思った事があったのは丸わかりだけど、他人の事情に深く入り込むのはよくない。ここはスルーしよう。


「そうか。じゃあまたどこかで会えるのを楽しみにしてるよ」


「うん!じゃあね」


俺とミズキはこうして分かれた。


はずだった数分前に。




「なあ姉ちゃん、俺らと一緒に遊ぼうよ。」


「嫌です。そこをどいてください」


ミズキは無視して隣を通りぬけようとした。


「ごちゃごちゃいってんじゃねーよ」


男達はミズキの腕を掴んだ。


いくらミズキがDランクの冒険者とはいえ、大男5人を相手にするのは分が悪い。


「離して!」


「おめーが金を持ってるのは知ってるんだよ。さっき見てたからな。それになかなか可愛いじゃん?」


この私をみるイヤらしい目付き、私が振った男子生徒にそっくりだ、、、


そう思うと体の震えが止まらなくなった。


「嫌、、、離して、、、離してよ!!!」




俺はミズキと別れて空を見ながらぽけーっと歩いていた。


「ちょっとアルヤ聞いてるの?」


「おお、、、」


今日初めてこいつがちゃんと戦ってるとこを見たけどほんとに強かったんだな、、


それでレイと戦ってたのが悪魔族か、、、俺はあいつらに勝てるようにならないといけないのか。


なかなか先は長そうだ。


「ん、、、」


どこからか離してって聞こえた気がする。どっかで聞いたことある声だな


あの声は、、ミズキの声!?


「行くぞレイ!」


「ちょっとおいていかないでよ~」


俺とレイは走ってミズキの声がした場所に向かう。


「急にどこ行くのよ~!」


「いまミズキの叫び声がしたんだ!」

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