第19話 悪魔

「なんだ?この階段」


地図にはこの先の地形はないことになっている。


「せっかくだから行ってみる?さっきの敵のそんなに強くなかったしもう少し潜っても大丈夫だと思うけど、、」


「そうだな、なにかお宝があるかもしれないし行ってみようかな!」




コツッコツッコツッ




階段を降りる音がフロアに響く。


なんか雰囲気が変わったな、、


なんて言ったら良いか分からないが、強いて言葉に表すなら重くなったかな、、


「アルヤ~。結構降りてきたけどまだ着かないの?」


「ああ。ただもう少しで着きそうだ。」


下を見ると床が見えている。




「私の部屋に何か用かな?君たち」


階段を降りきると、そこにはモンスターがいた。


石段に座って、俺たちの事を見ないで話している。


モンスターといえるのか、、あれは、、


一言で言うならば、悪魔とでも言うのだろう。




俺たちは武器を構えた。


「待ちたまえ。私は何しに来たかと聞いている。」


「探索しに来ただけだ、、」


見た目は人に近い、、がなにか得体のしれないものを発している。


「なるほど、迷い込んだだけか。」


なんだ、特に戦う意思はないのか?


「だが、ここに来てしまったからには生きて還すわけにはいかないな」


目の前の奴は、俺たちの方を向き腰を上げて臨戦態勢を取った。


結局戦うのかよ、、、




「ライトニング!」


ミズキが速攻をかける。


雷撃は奴に直撃したはずだった。


「ん?なんだ?」


しかし奴は何かしたかというように頭をポリポリと搔いている。


「今度はこっちの番だ。」


すると目の前から奴の姿が消えた。




「え?」




次の瞬間、隣に居たミズキが壁に吹き飛ばされていた。


「ミズキー!」




「次はお前か?それともあっちの女か?」


奴は、俺かレイどちらから潰すか悩んでいるらしかった。




「私が相手になるわ。」


「ほう、お前がか。一番弱そうだがな」


「私のこと舐めないで貰って良いかしら」


レイは光を纏い両手で大剣を持っている。




「なるほど、貴様。精霊か。」


「ええ。悪魔族の相手にはちょうど良いでしょ」




レイと悪魔族は戦い始めた。


互いの戦闘速度は一気に加速する。


だが、


「なんだ貴様。なぜそれほどの力がある!」


「私は悪魔族を殲滅ために生み出された精霊だから」


そして、決着はすぐ訪れた。


レイの剣が奴の首を捉えたのだ。


「さっ終わったよ。帰ろっアルヤ」






「大丈夫か?」


「アルヤさん、、、」


俺はミズキを介抱しながらダンジョンを抜け出した。


「さっきのは一体、、、」


「さっきの敵は悪魔族だよ~。ミズキの攻撃が効かなかったのは、精霊属性のない攻撃は悪魔族には効かないからね~」


「そうなんですね、、」


レイはもういつもの調子に戻っていた。


だけど、戦っているときに見せたあの哀しそうな顔は一体なんだったのか。


あのとき、あの悪魔と戦いの最中話していたような気もするけどそれがなんだったのかは俺には分からない。

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