第18話 昇級試験3
「君、名前はなんて言うの?」
「私はミズキだよ。あなたは?」
「俺はアルヤ。こっちで頬を膨らましてるのはレイだよ。」
「よろしくね、レイちゃん」
「よろしく、、、」
不満そうにレイはミズキに挨拶を返した。
「なんで急に不機嫌になったんだよ、、」
「だって~、、、」
もじもじしてなかなかレイは話そうとしない。
「二人はパーティを組んでるの?」
「ああ、そうだよ」
おっと、レイが精霊であることをばれないようにしないと
「いいなあ、楽しそうで!」
「そうだろ~アルヤといるとすっごく楽しいんだ」
自慢げにレイは俺の腕を取って話す。
「私も誰かと一緒に旅ができたらなぁ」
「ミズキはひとりなのか?」
「うん、、知り合いもいないし知らない人と組むのも怖いから。」
「そうだったんだな」
悲しげな顔でミズキは前を向く。
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「あんたと一緒なんてほんと嫌になっちゃう。近寄らないで!」
「え、、、」
どうして、、昨日まで仲良く話してたのに、、、
遠くでは私を見てクスクス笑っている人、話しかけても無視する人、、
ある日突然、私はこの状況に陥ったのだ。
そういじめの標的に。
私は魔術学校でも普通の生徒だった。
特に成績も良くもなく悪くもなく本当に普通だ。
そんな私がなんでいじめの標的になってしまったかというと、
告白してきた男の子を振ったからだ。
たまたまその男の子が貴族の息子で、振られたことで逆上し、ありもしない噂を流され一瞬の間に孤独に叩き落とされた。
そんなどこにでもあるようないじめだ。
そしてそのことで両親も私の敵になった。
「どうして、そんな子の告白を断ったの!あんたのせいで仕事もなくなって大変なことになったのよ!」
母は私のせいで周りから蔑まれ、父は仕事をクビになった。
学校に居ても家に居ても、
罵声、罵声、罵声、罵声、罵声、罵声
そして、次第に両親も周りからの悪評に耐えられなくなり、私を残して命を絶った。
残された私は、学校をやめ冒険者になって死に場所を探している。
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「そろそろメラリザードが居る場所に着くな」
「やっとか~つかれちゃったよ」
お前はただ歩いてただけだろうが!
「もう着いちゃうんだ、、楽しいとあっという間だね!」
グオーーーーーー!
「でたな、さっさと片付けるか。」
俺は炎刃の斬撃を風撃で飛ばした。
ガアーーー!
クリーンヒットだ。ダメージは入った。
「ライトニング!」
ミズキの雷撃魔法を食らってメラリザードは叫び声をあげた。
メラリザードは俺たちめがけて突っ込んでくる。
俺はメラリザードの心臓めがけて長剣を突き出した。
グシャッという感覚がして剣がメラリザードの躰を貫いた。
カランッ
「アイテムがドロップしたみたいだ。」
メラリザードの鱗、ランクD
「これで目標達成だな」
「そうだね!おめでとう!」
「ミズキもおめでとう。これでランクが上がるな」
するとレイに袖はクイクイと引っ張られた。
「あれは、、」
「ん、どうした?」
レイが指さす方に視線を向けるとまだ階段があった。
地図によるとここで行き止まりなはずなんだが。
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