第18話 昇級試験3

「君、名前はなんて言うの?」


「私はミズキだよ。あなたは?」


「俺はアルヤ。こっちで頬を膨らましてるのはレイだよ。」


「よろしくね、レイちゃん」


「よろしく、、、」


不満そうにレイはミズキに挨拶を返した。


「なんで急に不機嫌になったんだよ、、」


「だって~、、、」


もじもじしてなかなかレイは話そうとしない。


「二人はパーティを組んでるの?」


「ああ、そうだよ」


おっと、レイが精霊であることをばれないようにしないと


「いいなあ、楽しそうで!」


「そうだろ~アルヤといるとすっごく楽しいんだ」


自慢げにレイは俺の腕を取って話す。


「私も誰かと一緒に旅ができたらなぁ」


「ミズキはひとりなのか?」


「うん、、知り合いもいないし知らない人と組むのも怖いから。」


「そうだったんだな」


悲しげな顔でミズキは前を向く。




===============




「あんたと一緒なんてほんと嫌になっちゃう。近寄らないで!」


「え、、、」


どうして、、昨日まで仲良く話してたのに、、、


遠くでは私を見てクスクス笑っている人、話しかけても無視する人、、


ある日突然、私はこの状況に陥ったのだ。


そういじめの標的に。




私は魔術学校でも普通の生徒だった。


特に成績も良くもなく悪くもなく本当に普通だ。


そんな私がなんでいじめの標的になってしまったかというと、




告白してきた男の子を振ったからだ。




たまたまその男の子が貴族の息子で、振られたことで逆上し、ありもしない噂を流され一瞬の間に孤独に叩き落とされた。


そんなどこにでもあるようないじめだ。




そしてそのことで両親も私の敵になった。




「どうして、そんな子の告白を断ったの!あんたのせいで仕事もなくなって大変なことになったのよ!」


母は私のせいで周りから蔑まれ、父は仕事をクビになった。




学校に居ても家に居ても、


罵声、罵声、罵声、罵声、罵声、罵声




そして、次第に両親も周りからの悪評に耐えられなくなり、私を残して命を絶った。




残された私は、学校をやめ冒険者になって死に場所を探している。




=================




「そろそろメラリザードが居る場所に着くな」


「やっとか~つかれちゃったよ」


お前はただ歩いてただけだろうが!


「もう着いちゃうんだ、、楽しいとあっという間だね!」




グオーーーーーー!




「でたな、さっさと片付けるか。」


俺は炎刃の斬撃を風撃で飛ばした。




ガアーーー!




クリーンヒットだ。ダメージは入った。


「ライトニング!」


ミズキの雷撃魔法を食らってメラリザードは叫び声をあげた。




メラリザードは俺たちめがけて突っ込んでくる。


俺はメラリザードの心臓めがけて長剣を突き出した。




グシャッという感覚がして剣がメラリザードの躰を貫いた。




カランッ




「アイテムがドロップしたみたいだ。」


メラリザードの鱗、ランクD




「これで目標達成だな」


「そうだね!おめでとう!」


「ミズキもおめでとう。これでランクが上がるな」


するとレイに袖はクイクイと引っ張られた。


「あれは、、」


「ん、どうした?」


レイが指さす方に視線を向けるとまだ階段があった。


地図によるとここで行き止まりなはずなんだが。

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