第16話 昇級試験
「ここがスクレアの街か、綺麗な街並みだな」
「そうだよね~この前の石造りの街の良かったけど、白色で統一されている家もすごいよね~」
「ああ、草木も多くて良い空気だしな」
「神秘の森も近いからね~」
最初の街を出て、俺たちは次の街であるスクレアの街に来ていた。
「まずはギルドに行ってみるか。」
「そうだね~ギルドに行けばこの街のこと詳しくわかるもんね」
「ここがスクレアのギルドか、、あんまり前にミモザの街と変わらないな。」
掲示板に冒険者手続きの窓口に、クエスト精算所。あるものは特に変わっていない。
ふと受付をみると見知った顔を見つけた。
「こんにちは。」
「こんにちは。冒険者手続きですか、、、ってあのときの男の子じゃない!あの時はミユがご迷惑をお掛けしました。」
「いえいえ。あの後もミユさんにはお世話になりましたので」
そうあのとき喧嘩をしていた、ミユさんのお姉さんのサキさんだ。
「でもどうしてここにいるんですか?ミモザの街の職員さんじゃ、、、」
「ああ!あれはたまたまあっちで仕事があって行っていただけよ。私の職場はこっちだもの。それで妹の顔を見に行ったらあんなことしてたんだもん。びっくりしちゃった。」
「そうだったんですね」
「君はどうしてこの街に来たの?観光?」
「いえ、神秘の森に用があって、一度この街に来たんです。」
「神秘の森か、、、あそこはいま行かない方がいいかも、、」
「え、、?どうしてですか。」
「原因は分からないんだけど、この街の冒険者では手がつけられないくらい強い魔物がいるの。今、レベルの高い冒険者の方を派遣してもらっている最中だから終わるまでは待った方がいいかな」
「分かりました。ありがとうございます。」
強い魔物か、、、どれくらい強いんだろ、、
「ということでしばらくは神秘の森には行けなさそうだ」
「そうなのか~残念」
宿をとってそこで留守番していたレイにギルドで教えて貰ったことを伝えた。
「明日からはまたクエストをこなしながらレベル上げとお金稼ぎしないとかな」
次の日、ギルドでクエストを受けようと掲示板をみているとサキさんに呼び止められた。
「クエストを受けようとしてるんですか?」
「ええ、しばらくはここに居ることになりそうなので」
「冒険者カードを拝見してもいいですか?」
「どうぞ」
俺はサキさんに冒険者カードを渡した。
カードをみるとサキさんは、おー!と感嘆したように声を出した。
「ミモザの街でこんなにクエストをこなしていたんですね。凄いです。これだけこなしている実績があれば冒険者ランクをDにあげることが出来るんですがどうしますか?」
「冒険者ランクが上がるとどうなるんですか?」
「その説明がまだでしたね。冒険者はEからSまでの6段階のランクに分かれています。段位が上がっていくと難易度の高いクエストを受注出来るようになって、Aランク以上になると未開の地を探索できる許可がおります。つまり好き勝手やってもギルドに怒られなくなります。」
「そうなんですね」
「あとはこのランクが高くないとそもそも入れない街というのも存在します。」
「入れない街?」
「王族が住んでいるアリシオンの街はBランク以下の冒険者は入れないという誓約があったり、ダンジョンの情報もランクに応じて開示されていきます。」
「ならあげた方が得なんですね」
「はい。ランクを上げるには昇級試験はありますが、、」
「その試験受けます!」
「わかりました。なら手続きしちゃいますねっ」
そういってサキはギルドの中に消えていった。
数分後、、、、
「手続きが終わりました。今回の昇級試験はメラリザードの討伐です。頑張ってきてください。」
俺はサキさんから地図を受け取るとギルドを後にした。
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