第14話 飲み明かし2

「ぷはー!美味しい!久々のお酒だー!」


レイは凄い勢いでさっき買ってきたお酒を飲んでいた。


「おいおい、あんまり飲み過ぎるなよ?」


俺もレイに煽られて最初に渡された一缶を飲み干してしまったが、


でもお酒も案外いいものなんだなぁ、気分がものすごく良い。




なんだかんだでその後もお酒を飲み続け、残るはワイン一本になっていた。


「これも飲んじゃおうよ~」


「そうだな。邪魔になるしなあ」


とこのときの俺はもう正常な判断はできていなかった。


レイがコルクを引き抜いて、2人分のグラスにワインを注ぐ。


「でも、あのとき助けてくれてほんとにありがとね」


あの時とは、きっと俺たちが最初にあった時のことだろう。


「今更かよ。べつにあんな状態の猫をほっとけなかっただけだよ。」


「あそこで助けてもらえてなかったら、きっとあの後悪魔達に見つかって殺されてただろうしほんとに感謝してるの。こうやって楽しい冒険にも一緒に行けてるし。」


「全然一緒に戦ってはくれないけどな」


「だってアルヤのためにならないからね!ほんとにやばくなったら手伝うよ。」


「ほんとかよ」


ケラケラ笑いながら、レイは俺に近づく。


「だからこれは感謝の印なの。」


そういってレイは俺に口づけをする。今度は額じゃなく、唇にだ。


「え、、、、」


「アルヤと一緒だと安心するんだよね~」


レイはその後も止まらないのか何度も口づけをしてくる。


距離もどんどん近くなる。


「精霊だって人と何にも変わらないんだよ?」


頬を赤らめながら、俺の事を押し倒したレイにこの後何をされたのかは俺の口からは言わないでおく。




「うう、、頭痛い、、」


「だから飲み過ぎるなってあれだけ言ったのに、、、」


はい、やっぱりというべきかレイは案の定二日酔いに襲われていた。俺の3倍くらい飲んでたからな結局。


「アルヤは気持ち悪くないの?」


うう~と唸りながら俺に聞いてくる。


「いや、俺は二日酔いにはなってないな」


自分でも驚きなのだが、二日酔いにはならなかったのだ。


飲んだ量のあるだろうが、もしかしたら治癒の効果が早速発揮されたのかもしれない。


こんな形で新しいスキルが発動するとは思わなかったけども。


「なあ、レイ昨日飲んでる時のことって覚えてるか?」


「いやーそれがさ、あんまり覚えてないんだよね。久々に飲んだからか少し調子に乗っちゃったみたい~」


「そうか、ならいいんだ」


俺は昨日の事を掘り返すのはやめようと決めた。




「覚えてるに決まってるでしょ、、ばか、、、」


そう独り言をこそっと呟いたレイの声はアルヤには届かなかった。


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